和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

若い視点で市政に提言 田辺市役所議場で初の「高校生議会」、和歌山

初めて開かれた「高校生議会」で、意見を発表する生徒ら(和歌山県田辺市役所で)
初めて開かれた「高校生議会」で、意見を発表する生徒ら(和歌山県田辺市役所で)
 地元の高校生が地域課題について提言する「高校生議会」が17日、和歌山県の田辺市役所議場で初めて開かれた。市内の高校に通う生徒22人が参加。現職の市議も交え、活発な議論を交わした。


 若い世代に政治への関心を高めてもらうとともに、まちづくりに対する意見を市政の参考にしようと市議会が主催。高校生は三つの委員会に分かれ、農林水産業の担い手確保や子育てしやすいまちづくりなどについて意見交換した。

 「田辺に住み続けたいと思えるまちづくり」がテーマの委員会では、田辺高校1年の田野岡美結さん(15)が、大学進学後に地元に戻ってくる若者が少数であると指摘。市内には世界遺産の熊野古道や農林水産業など学びに生かせる素材があることから、市内に大学を新設してはと提案した。

 他の生徒からも「和歌山大学を県内に分散させ、市内にもキャンパスを新設する」「市の施策や情報を、各世代が理解できるように工夫する」「県内の最低賃金を引き上げ、市内で働ける場所を増やす」などの意見が挙がった。

 その後、委員会ごとに報告書をまとめ、それぞれの意見を議場で発表した。

 閉会後、田野岡さんは「政治に興味があったので参加した。普段はなかなか会うことがない市議に自分の思いを届けることができて、いい経験になった」と話した。

 尾花功議長は「高校生の皆さんと活発な意見交換ができて、大きな刺激を受けた。市議会をより身近に感じていただければうれしい」と語った。