和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

新築と別館活用で検討 市民総合センターの整備、和歌山県田辺市

施設の整備方法が検討されている田辺市民総合センター(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
施設の整備方法が検討されている田辺市民総合センター(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
 和歌山県田辺市は7月31日、市民総合センター(高雄1丁目)の整備について、施設を新築するとともに旧庁舎(新屋敷町)に隣接する庁舎別館を活用する方針を示した。他の整備法に比べ、費用が安価で、機能の制限がないとしている。今後費用の縮減と官民連携の整備手法を検討する。


 市民総合センターは、保健福祉や教育委員会などの行政機能を新庁舎に移転した。現在は社会福祉協議会や市民活動センターなどが残っている。施設は築50年以上の棟もあり、老朽化。南海トラフ巨大地震の津波浸水想定域にある。

 整備案は市議会庁舎跡地活用等まちづくり特別委員会で説明があった。3月の中間報告では新築と旧庁舎別館の活用以外に、現施設の耐震改修▽全機能の新築▽新築と旧庁舎隣接の社会福祉センターの活用―の計4案を示していた。

 市の方針では、新「市民総合センター」に社会福祉協議会や子育て支援機能を配置。旧庁舎別館に貸室や市民活動センター、旧庁舎第2別館に倉庫や書庫を移す。田辺広域休日急患診療所については、運営する広域組合で協議する。

 市の概算で整備費は約39億円。別館の改修費が別途必要になる。それでも他の整備法より安価で、全機能新築の場合は約50億円としている。活用できる国庫補助金や有利な起債は見当たらないという。

 そこで、公民が連携して公共サービスを提供するPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)を検討している。中でも設計や建設、維持管理、運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスを民間主導で提供するPFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)の導入ができないか考えたいという。

 市民総合センターのあり方については、有識者や関係者、市民でつくる整備方針検討委員会で協議している。市は本年度に整備方針を決め、来年度に基本計画を検討する際、並行してPPP・PFI導入の可能性を調査する予定。