和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年09月11日(水)

自己都合退職の相談増加 3年で1・5倍、和歌山労働局

 2023年度に和歌山労働局などに寄せられた「個別労働紛争相談」のうち、「自己都合退職」に関する相談が3年連続で増加し、1・5倍となった。事業者側の人手不足の深刻化が背景にあるとみられる。

 「個別労働紛争相談」は、和歌山労働局と県内5カ所の労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーに寄せられた「総合労働相談」8574件(前年度比109件増)のうち、解雇や労働条件引き下げなど、民事上の労使間の紛争に関する相談。

 「個別労働紛争相談」の23年度件数は2406件で、21年度の2342件を上回り、過去最多となった。

 このうち、相談内容で増加傾向にあるのが「自己都合退職」。20年度の267件から、21年度336件、22年度369件、23年度410件と増加している。

 人手不足が影響しているとみられ、労働局によると、労働者には法律で退職の自由が認められているが「退職させてくれない」といった相談が増えているという。

 一方、「個別労働紛争相談」で最も多かったのは「いじめ・嫌がらせ」の643件。2番目に「自己都合退職」が多く、次いで「労働条件引き下げ」252件、「解雇」224件などとなっている。

 「いじめ・嫌がらせ」は20年度の761件から3年連続の減少。ただ、労働局によると、以前は含めていたパワーハラスメント関係の相談が、労働施策総合推進法の施行により、別計上となった影響とみられ、実質は減少していないと考えられるという。

 労働局は迅速で適正な解決を支援している。23年度、労働局長による助言・指導は59件、紛争調整委員会によるあっせんは16件の申し出や申請を受けた。