和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年07月05日(金)

北米事業強化と木質新素材の事業化に向け、カナダの木質ボード製造会社を子会社化

大建工業株式会社
~ 北米事業強化・新規木質ボードの事業化に向けて本格始動 ~

大建工業株式会社(大阪市北区、社長:億田正則)は、米国ラミネート製品製造の大手Panolam Industries International Inc.傘下で、カナダ オンタリオ州ハンツビルで低圧メラミン化粧板(※1)を製造するPanolam Industries Ltd.の51%の株式を7月2日に取得し(※2)、子会社化しましたのでお知らせします。
なお、本案件の総投資額は、今後の設備投資費用も含め、当面は100億円前後を想定しています。また、同社の商号は「DAIKEN North America Ltd.」(以下、DNAL社)となります。
DNAL社では、引き続き低圧メラミン化粧板の製造・販売を継続するとともに、当社が開発を進めている“新規木質ボード”の事業化に向けた検討も進めてまいります。

※1 低圧メラミン化粧板は、化粧紙(チタン紙)にメラミン樹脂を含浸させた化粧層(含浸紙)と、基材である木質ボード(パーティクルボード)を低圧で熱圧成型した化粧板のことです。
※2 残りの株式49%は、伊藤忠商事の米国所在の孫会社であるITOCHU Building Products Holdings Inc.が取得しました。


今回子会社化した「DAIKEN North America Ltd.」

【背景】
当社は、国内の新築住宅市場の縮小が見込まれる中、海外市場を拡大すべき重点市場と位置づけ、伊藤忠商事株式会社と連携しながら、木質素材製品を中心とした事業拡大を進めています。中でも北米エリアは、世界最大の木造住宅マーケットを擁するなど、木質素材の需要が大きく、かつ安定性もあることから、従来よりMDF(中密度繊維板)の販売を展開しておりました。その後2019年に、カナダ ブリティッシュコロンビア州の単板工場であるCIPA Lumber Co. Ltd.(CIPA社)および、米国 ワシントン州のLVL(単板積層材)工場であるPacific Woodtech Corporation(PWT社)を子会社化し、北米市場への進出を本格化しました(PWT社は2022年8月に持分法適用会社に移行)。
以降、北米でのさらなる事業拡大に向けて、当社の得意分野である木質素材に関する知見を活かした新規事業の立ち上げを想定し、MDFやLVLなどと隣接した分野を視野に、M&Aの対象となる木質ボード工場の選定を進めておりました。

また当社は、これまでにない新たな木質ボードの開発にも取り組んでいます。この“新規木質ボード”は、優れた寸法安定性や剛性のほか、平滑で均質な色調の表面性など、合板代替として求められる性能を有するほか、持続可能な木材の循環利用を可能とする地産地消を想定した環境配慮型の製品です。創業以来、木質資源や未利用の鉱物資源を原材料とする様々なエコ素材を生み出してきた当社ならではの技術力・開発力、製造ノウハウを結集させて生み出した新素材であり、昨年には、すでにプロトタイプの製造技術を確立しています。

そこで今回、北米事業の躍進に向けた次の展開として、Panolam Industries Ltd.のグループ化により、北米にて「低圧メラミン化粧板」の製造・販売事業を開始するとともに、同工場を“新規木質ボード”の製造拠点として活用する可能性についても、検証を進めます。

【工場買収の目的】
Panolam Industries Ltd.は、豊富な森林資源に囲まれ、安定的な原材料調達が見込めるカナダ東部に工場を構え、パーティクルボードに化粧シートを張り合わせた低圧メラミン化粧板を製造しています。低圧メラミン化粧板は建材や家具等に幅広く使われており、世界最大の木造住宅マーケットの北米にて年間1.2億平方メートル 以上の市場規模と推定されるなど、底堅い需要が見込まれています。今回のグループ化により、当社がこれまで扱っていなかった木質素材と、それに伴う新たな顧客を獲得することとなり、着実な事業規模の拡大が見込めます。
また、北米の普通合板市場規模は年間500万m3とされており、同時に検討を進める「“新規木質ボード”の事業化」は、北米事業の飛躍的な拡大の足掛かりとなることが期待できます。
称号変更後のDNAL社の運営については、北米で建材関連事業を展開するITOCHU Building Products Holdings Inc.が持つハンズオン経営のノウハウを活かし、効率的な運営と事業基盤の強化を図ります。

今後につきましては、2026年度中の“新規木質ボード”の生産開始を当面の目標に据え、低圧メラミン化粧板も含めた北米事業計画の策定や、各素材の事業性および最適な生産バランスの調整等を進めてまいります。

【DAIKEN North America Ltd.の概要】

以上
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