和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

身近な物で災害に備え 育児講座で防災学ぶ、和歌山・みなべ

停電時の備えにと、懐中電灯とペットボトルでランタン代わりの明かりを作って実演(1日、和歌山県みなべ町谷口で)
停電時の備えにと、懐中電灯とペットボトルでランタン代わりの明かりを作って実演(1日、和歌山県みなべ町谷口で)
 和歌山県みなべ町谷口の町地域子育て支援センターこひつじランドは1日、同町谷口の生涯学習センターで育児講座「災害への備え~子育て中のママのために~」を開いた。参加者は、停電時や断水時に役立つ物や、地震に備えた日頃からの工夫などを、展示物や実演を見ながら学んだ。


 子育て中の家庭で防災について考えてもらう機会にしたいと、毎年1回開いている。生後4カ月の赤ちゃんから2歳ぐらいの子どもと母親12組が参加した。

 こひつじランドの職員、三谷祥子さんが、これからシーズンを迎える台風について、停電時の対応を説明。切ったペットボトルに懐中電灯を立て、上から水を入れたペットボトルを置くと、部屋全体を明るく照らすランタン代わりになることや、牛乳などを少し入れて混濁させると柔らかい照明代わりになることを、実演してみせた。

 枕元にスマートフォンを置いておくとライト代わりになるが、地震では転がっていく可能性があるため、携帯ストラップに洗濯ばさみを付けて布団に止めておくなどの工夫を紹介した。

 子育て中は、家にいる時間が長いため、家の中を、地震の際に危なくないように整えておくことの大切さも説明した。

 部屋から家の出口まで行けるか動線を考え、常に枕元に軍手などの手袋、ガラスなどが割れている場合などに備えて前面と底のついたスリッパ、ヘルメット代わりの帽子をひとまとめにして置いておき、いざという時はそれらを着用して、子どもを抱いて避難することなどを紹介した。

 また、普段使っている買い物袋2枚を持ち手を通してつなげて、肩の前後に振り分けて乗せることで、子どもを抱きながらでも水の入ったペットボトル4本など重い荷物を一度に運べることや、チャック付きの袋に水を入れ、黒いごみ袋に入れて車の上に置いておくと、天気が良ければ40度ぐらいのお湯になり、避難所生活時に子どもの頭などを洗うのに使えることも紹介した。

 赤ちゃんや幼い子どもがいる家庭の緊急持ち出しグッズのチェックリストや、町の津波ハザードマップ、洪水ハザードマップも配布した。

 2歳の長男智敬ちゃんと参加したみなべ町芝の南明香さん(33)は「避難用バッグは準備しているけれど、停電の時のライトの作り方など、家にある物を使ってすぐにでも実践できることを知ることができて良かった」と話していた。