和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月27日(金)

山に大規模な亀裂で応急対策へ 和歌山・古座川町平井

崖のようになっている斜面(古座川町平井で)=和歌山県提供
崖のようになっている斜面(古座川町平井で)=和歌山県提供
 和歌山県古座川町平井地区の山頂付近で5月下旬、長さ約100メートルの亀裂が見つかり、町は山の麓にある同地区大原平の集落で暮らしている4世帯5人に避難指示を出している。依然として危険な状態が続いており、県は地すべりの応急対策事業をする。事業費は約4億3900万円。


 町によると、5月26日、区民から山の斜面に亀裂が見つかったと連絡があった。町職員が現場を確認して土砂災害の危険性があると判断し、翌27日に避難指示を出した。

 県の調査では山の斜面が崩壊し、高さ5~7メートルの崖になっている場所が見つかった。今回の対策事業では、山の麓にある民家や国道、河川の保全のため、現場の調査や測量、水を抜く「横ボーリング工」を実施する。現場では現在、伸縮計の設置を進めており、地すべりの動きを監視する。

 また、国土交通省は10日、事業費のうち3分の2を国庫補助する採択をした。

 平井地区の羽山勤区長によると、住民は知人や親戚宅に一時的に避難した後、町営住宅などで生活しているという。「長年暮らしたふるさとを離れることは断腸の思い。早く帰りたいという声もある。国も動いてくれていると聞いている。早急に解決するのは難しいかもしれないが、できるだけ早く解決してほしい」と話している。