和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

【詳報】「新しい展望加える」 初当選の大屋氏、和歌山県古座川町長選 

花束を受け取る大屋一成氏(2日午後9時半ごろ、和歌山県古座川町月野瀬で)
花束を受け取る大屋一成氏(2日午後9時半ごろ、和歌山県古座川町月野瀬で)
 2日投開票の和歌山県古座川町長選は、新顔で前町議の大屋一成氏(67)=無所属=が、3選を目指した現職の西前啓市氏(75)=無所属=を破り、初当選した。「今こそ変革の時」と訴えてきた大屋氏は「町政の良いところは継承し、私のビジョンを上乗せしたい。新しいことに取り組みたい」と意気込みを語った。


 月野瀬にある大屋氏の事務所に当選の知らせが入ったのは午後9時15分ごろ。集まった支援者からは大きな拍手と歓声が起こった。大屋氏は涙ぐみながら「ありがとう」と一人一人と握手を交わした後、万歳で喜びを爆発させた。

 大屋氏は「能登半島地震では道路の復旧の遅れなどが問題になった。古座川でも防災の強化に取り組まないといけない。高齢者の生活支援、交通体制の整備、若者世帯の住宅確保なども重要」と掲げた政策実現に意欲を見せた。

 また「これまでの町政は現実主義でやってきたが、そこに未来に向けての取り組みを加える。一からの挑戦で大変だが、町民目線で、町職員とも腹を割って話し、さまざまな意見をもらいながら進めたい」と強調した。

■選挙中は災難も 陣営明るさ失わず

 選挙戦は順調なことばかりではなかった。告示の5月28日に選挙カーがパンク、翌29日にもエンジントラブルがあり、修理に出した。だが、陣営にはそうしたアクシデントも笑い飛ばすようなムードがあった。

 大屋氏は年明けから告示までに町内を何巡もし、町民に思いを伝え、さまざまな声にも耳を傾けてきた。その中で次第に変革を求める声が大きくなっているのを感じていた。陣営幹部は「告示日にはかなりの手応えがあった」と明かす。大票田の高池地区でも支持を固められたという。

 大屋氏は「現職は強力で、不安の中での挑戦だった。小さな後援会からスタートし、これほど大勢から票を頂いた。改めて気持ちが引き締まる思い。期待を裏切らないよう一生懸命まちづくりに取り組む。町民の先頭に立って頑張りたい」と話した。