和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

家族で みなべ町へ! 梅収穫ワーケーション、キッズスクール始める、和歌山

梅収穫ワーケーションに参加し、梅畑にネットを敷く作業中、ノビルを見つけて喜ぶ児童(和歌山県みなべ町西岩代で)
梅収穫ワーケーションに参加し、梅畑にネットを敷く作業中、ノビルを見つけて喜ぶ児童(和歌山県みなべ町西岩代で)
 首都圏の人らが、梅の収穫に関する仕事を手伝いながら自身の仕事もする「梅収穫ワーケーション」が、5月から和歌山県みなべ町で始まった。3年目となる今年は子連れで参加できるよう、親が梅作業をしている間、ワーケーション参加者の子どもたちが町内の学校に通ったりさまざまな体験イベントに参加したりするキッズスクール「梅ワーキッズ!」を始めた。


 梅収穫ワーケーションは、みなべ町と一般社団法人「日本ウェルビーイング推進協議会」(沖縄県)、協力農家の「官民地域連携」で取り組んでいる。

 みなべ町の基幹産業である梅農家が抱える高齢化や後継者不足、人手不足などの課題に、ワーケーションを通じて解決の糸口を見つけようと、2022年から始めた。受け入れ農家は無償で作業を手伝ってもらうことができ、参加者は非日常体験を通じて心身ともに良い状態になれるという取り組み。

 22、23年の2年間で延べ600人以上が参加した。一方、参加を断念した人からは「子どもがいるので参加できない」、参加者からも「子どもを連れてきたかったが、学校がある」といった声が寄せられていた。

 新たな取り組み「梅ワーキッズ!」は、保護者が梅作業をしている間、未就学児から中学生までを預かる。基本は無料だが、体験プログラムによっては実費が必要になる。

 未就学児は町子育て交流施設「ゆめはぐ館」(みなべ町芝)で過ごす。保護者と一緒なら梅収穫体験や、海・山・川・平地での遊びを満喫する体験プログラムなどにも参加できる。

 小中学生は、平日は南部小学校や南部中学校に「見学」(1~2日)や「体験入学」(3~5日)ができる。体験入学は、所属する学校の判断で出席扱いにできる。遊びを満喫したい場合は自然体験や郷土体験などのプログラムを用意している。10歳以上ならば、保護者と一緒に梅収穫ワーケーションに参加できる。

 ゴールデンウイークに東京都内から参加した小学2年生の男児(7)は、母親と共にネット敷きなどの収穫準備作業を体験した。

 協議会代表理事の島田由香さん(50)は「キッズスクールは以前からしたいと思っていた。町も教育委員会も学校も受け入れに前向きに取り組んでくれている。国がファミリーワーケーションを推進しており、みなべ町での第一歩にしたい。何より子どもたちの安全を第一に進めていきたい」と話している。

 梅収穫ワーケーションは、初年の22年は梅農家11戸が受け入れ、6月の1カ月間で延べ240人が収穫を中心に手伝った。2年目の23年は5月からに期間を延ばし、19戸が受け入れ、延べ382人が収穫だけでなく準備や片付けにも携わった。