和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月07日(月)

1日も無駄にしない 大江・新白浜町長が抱負語る

自身の当選を報じる紀伊民報を読む大江康弘氏(29日、和歌山県白浜町で)
自身の当選を報じる紀伊民報を読む大江康弘氏(29日、和歌山県白浜町で)
 和歌山県の白浜町長選で初当選した大江康弘氏(70)が、当選から一夜明けた29日、紀伊民報のインタビューに応じた。4候補による激戦を振り返り、今後の抱負などについて語った。(聞き手は瀧谷亘)

 ―選挙を終えた今、どういう気持ちか。

 2013年に参議院議員を辞めてから11年、長いトンネルだった。皆さんのおかげでやっと政治の現場に戻らせてもらい、うれしい気持ち。

 今回で13回目の選挙だった。多くの町民の皆さんの願い、思い、期待がかかったたすきを掛けての選挙だったので、今までで一番重かった。これから皆さんの期待に応えていくことで、4年後にはこのたすきを軽くしたい。

 ―町長選は2回目の挑戦。厳しい戦いだったか。

 他の3候補のことは正直頭にはなかった。とにかく、自分の政治家人生45年の集大成ということで、後悔しない選挙にしようと、自分ができることに取り組んだ。これまで県議選、国会議員選、知事選、町長選を戦い、今回を含めて9勝4敗。今回の勝利は、これまでの当選を越える喜びがあった。   

 ―今回の勝因は。

 4年前よりも「白浜を変えてほしい」「白浜を何とかしてほしい」という町民の気持ちの輪が広がった。それが私の政治経験に対する期待につながったと思う。 

 ―投票率は61・73%と過去最低だった。

 観光の町にとっては特に忙しい、ゴールデンウイークを前に選挙をしたというのは残念だった。これは今後の課題だと思う。選挙の時期が、投票率の低下につながったと思う。

 ―白浜町の課題について、まず何から取り組むか。

 知事と方向性を確認している南紀白浜空港の滑走路延長に対し、全力で協力していきたい。そして旧空港跡地の防災拠点づくり、お年寄りが大変困っている公共交通、いわゆるオンデマンドバスも進めたい。観光産業の恩恵を、入湯税を使いながら他の産業にも循環していく仕組みづくり。病児保育や子どもが遊ぶ公園の整備。保護犬、保護猫など生き物の命を大切にすることなど、やることは数多くあるが、これらを同時に進行していきたい。

 また、東京に白浜町の事務所をつくりたい。各省庁や首都圏の企業、観光関係者とより接触し、距離を縮めていきたい。

 ―最後に町民の皆さんにメッセージを。

 私の思いを受け止めていただき感謝している。約半年間、町内を回り、皆さんから聞かせていただいた現場の生の声をしっかりと受け止め、一つ一つに応えていきたい。与えていただいた4年間を1日も無駄にすることなく、しっかりとやっていく。