和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

校外学習・教育旅行に補助 利用促進のJR紀勢線新宮~白浜間(和歌山)で新事業

JR紀勢本線の新宮─白浜区間の利用促進のための補助事業などについて話し合った会議(19日、和歌山県新宮市で)
JR紀勢本線の新宮─白浜区間の利用促進のための補助事業などについて話し合った会議(19日、和歌山県新宮市で)
 JR紀勢線の新宮―白浜間の沿線などの自治体やJR西日本、和歌山県、和歌山大学でつくる組織が19日、鉄道を利用した校外学習や教育旅行などで新宮―白浜区間で乗降する場合、運賃を最大で全額補助する事業を新たに始めることを決めた。紀勢線の利用促進の取り組みとして、5月から申請を受け付ける予定という。


 県内24市町村でつくる「紀勢本線活性化促進協議会」(会長=田岡実千年新宮市長)のうち、白浜町以南の8市町村などでつくる「新宮白浜区間部会(部長=玉置康仁・白浜町総務課長)」の事業。同部会は2022年10月に初会合を開き、今回で7回目となる会議を新宮市で開いた。

 この日は本年度の事業について話し合い、部会を構成する8市町村にある保育園や幼稚園、小中高校などの団体(8人以上)が鉄道を利用して校外学習や教育旅行に出かける際、必要になった団体割引適用後の運賃と特急料金のうち、新宮―白浜区間については全額を補助する事業を始めることを決めた。

 さらに、この8市町村を目的地として地域外から訪れる小中高校や大学、専門学校などの教育旅行やスポーツ合宿なども、新宮―白浜区間の費用については全額補助する。

 事業費については各行政やJRで負担し、本年度分として約200万円を計上する予定。

 また、この日の会議では、JR西日本和歌山支社が区間全体の1日1キロ当たりの平均利用者数を示す「輸送密度」や各駅の特急列車乗車人数について、利用促進のための数値目標を部会として設定することを提起した。

 いずれも26年度を目標とし、輸送密度は2千人(22年度793人)、各駅の1日当たりの特急列車乗車人数は、新宮駅(和歌山方面のみ)240人(22年度84人)▽紀伊勝浦駅450人(同137人)▽太地駅20人(同11人)▽古座駅30人(同11人)▽串本駅210人(同58人)▽周参見駅50人(同11人)▽白浜駅(新宮方面のみ)40人(同14人)―を案として提示。

 ただ、出席者から「この場で即決できない」という意見があり、持ち帰って検討することになった。次回の会議は7月を予定している。