和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月01日(水)

大人の世界味わって/詩の朗読とピアノ演奏会/21日、田辺

「詩と音楽と」でピアノを演奏する滝浪ゆかりさん(左)と朗読の瀬川真貴さん=田辺市中屋敷町で
「詩と音楽と」でピアノを演奏する滝浪ゆかりさん(左)と朗読の瀬川真貴さん=田辺市中屋敷町で
 田辺市中屋敷町の古民家を活用した複合施設「SOUZOU(ソウゾウ)」のカフェで21日午後1時半から、滝浪ゆかりさんのピアノ演奏と瀬川真貴さんの朗読による「詩と音楽と」がある。2人は「ちょっと一息ついて人生を考えたり、一歩踏み出したりするきっかけになればいい」と来場を呼びかけている。

 詩人の長田弘(1939~2015)と茨木のり子(1926~2006)の作品朗読と、フィンランドやウクライナなど各国の音楽を演奏するピアノが「セッション」。「味わい、想像力がより広がる」という。詩はプロジェクターで映し出す。

 田辺市内でピアノ教室を開く滝浪さんは、ホールやホテルラウンジなどで数々の演奏をしてきたが、カフェは今回が初めて。「懐かしさを感じる空間と縁側から見える大きな木がすてきで、ピアノ演奏できたらいい」と思っていたという。ソウゾウにピアノを寄贈してくれる人が現れ、お披露目の機会として企画した。

 長田の「おおきな木」は、「何もないけれど、木のおおきさとおなじだけの沈黙がある」、茨木の「自分の感受性くらい」は、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」のフレーズが印象的な作品。

 瀬川さんは「人生経験を積んだ大人が共感できる世界。現代人の心を捉えるメッセージ性がある」。今回詩を選ぶ中で、そう感じたという。

 2人は「普段、詩に触れない人も難しく考えなくていい。大人のための読み聞かせ。アットホームな雰囲気の中で、お茶を楽しみながら詩と音楽を味わって」と話している。

 ソウゾウでは7人の芸術家によるグループ展「春を想う。」も開催しており、絵画との共演も楽しめる。

 1人500円。予約制。申し込み、問い合わせはソウゾウ(090・5491・9796)へ。