和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

若狭さんがまちづくり講座 活性化施設の活用考える

公共の場の活用について語る若狭健作さん(26日、和歌山県田辺市東陽で)
公共の場の活用について語る若狭健作さん(26日、和歌山県田辺市東陽で)
 まちの楽しみ方、場の使い方を学ぶ「まちづくり講座」が26日、和歌山県田辺市東陽の市文化交流センター「たなべる」であった。関西一円でさまざまなイベントを企画している若狭健作さん(兵庫県尼崎市)が「(役職などに縛られない)フラットな場から公共の可能性が広がる」と自身が携わった事例を紹介した。

 まちづくり会社「南紀みらい」(田辺市湊)と田辺市が、来夏にJR紀伊田辺駅前に開設する市街地活性化施設の活用を住民とともに考えるきっかけにしようと企画した。まちづくりの実践者や行政関係者ら約20人が参加した。

 若狭さんは各地の魅力や都市の問題を、そこで暮らす人たちとともに考えて伝える会社「地域環境計画研究所」の代表。立ち上げに携わった兵庫県伊丹市の図書館は、本好き以外も気軽に利用してもらおうと、毎月1回の「交流フロア運営会議」を開き、市民が自由な発想で企画を話し合っている。

 「年代も職業もさまざまな20人くらいが集まる。うちアイデアを出すのは3、4人。残りは提案を実現させてあげようとお節介する。アイデアを誰かが応援する仕掛けが大切。回を重ねれば、共有の思いは生まれる」という。発案したイベントは年間100回以上、延べ2500人以上が参加している。

 市街地活性化施設についても「初めから使い方を固定するのはもったいない。何かよく分からない施設として、オープンな場で定期的に会合していけばいい」と強調。「会合は日時を固定して開くべきだ。2時間のうち、最初の15分は自己紹介、アイデアもまずタイトルを出してもらう。時間管理が重要」と具体的な仕組みを紹介した。

 講演後の質疑応答では「外国人観光客がまちをどう使うかを見れば、気付きがある」「こうしたらいい、と言う前に自身で行動する。小さなステップを踏み続けることが大切」と助言した。