和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

ロケット発射で渋滞対策 見学場の前後1キロ駐停車禁止、和歌山・串本~那智勝浦の国道42号

駐停車禁止区域と駐車禁止区域
駐停車禁止区域と駐車禁止区域
国道42号の路側帯の広い部分には、車を止められないようバリケードが設置される(和歌山県串本町津荷で)
国道42号の路側帯の広い部分には、車を止められないようバリケードが設置される(和歌山県串本町津荷で)
 和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」で3月9日、初号機の打ち上げが予定されていることから、海岸線を走る国道42号などでは、マイカーで訪れる見物客の駐停車や渋滞が予想され課題となっている。関係団体は対策を厳重にするとともに、公式見学場のチケットを持っていない人に対してウェブ配信での視聴を呼びかけている。


 県や地元自治体などでつくるスペースポート紀伊周辺地域協議会は、田原海水浴場(串本町田原)と旧浦神小学校(那智勝浦町浦神)に設ける公式見学場以外に見学者を受け入れない方針。それでも現地に車で来る見学者に対しては、県警と連携しながら見学場周辺に駐停車させない交通規制で対応していくという。

 協議会事務局の県産業技術政策課によると、公式見学場の前後1キロの国道42号を駐停車禁止とし、その先2キロも駐車禁止にする。路側帯が広く、駐停車できそうな場所にはバリケードを設置し、県職員や警察官、ボランティアら約200人を配置する。

 また、樫野崎駐車場(串本町樫野)は打ち上げ終了まで閉鎖。見学場周辺の町道なども車を乗り入れできないようにする。

 ほかにも、関係団体の協力を得ながら、状況によって信号機の時間設定を変えたり、高速道路の電光掲示板に渋滞情報を掲示したりする。

 発射の様子はウェブで配信する。現地周辺に車が集まらないよう、大阪や三重方面のサービスエリア(SA)や道の駅にサテライト会場を計5カ所設置する予定。ウェブ配信を大型モニターで投影するほか、県の物産やロケット関連の商品も販売する。

■町民バスは運休予定

 一方、串本町ではコミュニティーバスを時間通りに運行することが難しいとみて当日は全線で運休する。ごみの収集も町内全域で休む予定。

 那智勝浦町でも、町内を運行している町営バス5路線のうち見学場近くを走る「下里線」と「太田線」について、当日は終日臨時運休する予定。



 公式見学場のチケットは2カ所ともすでに完売している。

■職員対象に説明会 串本町、交通誘導など

 3月9日に民間小型ロケットの打ち上げが予定されていることから、串本町は27日、同町サンゴ台の町役場で、当日、業務に従事する職員を対象に説明会を開いた。

 町では一般行政職員全153人のうち112人を当日、配置。職員は、公式見学場や町役場での対応、町内の道路での交通誘導などさまざまな業務に当たる。

 説明会で田嶋勝正町長は「成功することで、大きくこの地域が変わるという思いを持って当日の業務に当たっていただきたい」とあいさつした。

 その後、町企画課ロケット推進室の担当職員が、当日のタイムスケジュールやそれぞれの持ち場での動きを説明して協力を呼びかけた。