和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

歌う楽しさ、響け 紀南地方唯一の男声合唱団「グリーのたまご」、和歌山

和気あいあいと合唱の練習に励む「グリーのたまご」のメンバー(和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)
和気あいあいと合唱の練習に励む「グリーのたまご」のメンバー(和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)
 昨年、和歌山県田辺市を拠点に発足した紀南唯一の男声合唱団「グリーのたまご」は、初心者から経験者まで世代もさまざまな12人が参加し、歌う楽しさを響かせている。当面の目標は紀南合唱祭への出演。「2、3年後に単独公演ができればいい」と話している。

 発足のきっかけは、昨年4月に田辺市であったオーケストラやバリトン歌手によるコンサート。一般の参加者も合唱で共演できた。合唱に参加したメンバーの間で「男声合唱団ができたら面白いよね」と盛り上がり、5月に団を結成した。

 譜面の読めない初心者から、高校合唱部出身者や他の合唱団と掛け持ちで活動する経験者、吹奏楽団のメンバーもいる。20代から60代まで、世代も幅広い。

 練習は週に1回。それぞれ仕事があるため、全員がそろうことはほとんどない。今年初練習となった17日も4人だった。合間には笑いが起こったり、メンバーの子どもの写真を見て盛り上がったりと和気あいあい。合唱後の「一杯」で交流する楽しみもあるという。

 メンバー最年少、公務員の田中昂志さん(27)は「練習とは別に、みんなで集まってカラオケに行くこともある。世代を超えた交流が楽しい」と笑う。

 指導するのは元小中学校の音楽教諭、小幡奈美さん。「男声合唱の魅力は歌声の力強さ。混声合唱では女声ソプラノが主役になり、男声は支える役になることが多い。男性陣が自由に楽しく歌っているのが伝わり、こちらも楽しくなる」と魅力を話す。

 昨年12月に田辺市の銀座商店街で音楽イベントに出演。メンバーは「まちなかで歌うのは気持ち良かった。合唱の面白さをあらためて感じた」と口をそろえる。

 グリーは男声合唱の意味。最年長で団長の愛川誉夫さん(67)は「まだまだ『たまご』だけれど、いつか羽ばたけるようになるまで、緩く頑張りたい」と話している。「合唱を楽しみたい人は大歓迎」とメンバーも募集している。