和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

合気道の体験ツアー販売開始 田辺市熊野TB

ツアーでは合気道愛好者向けの本格的な指導が受けられる(写真はイメージ)
ツアーでは合気道愛好者向けの本格的な指導が受けられる(写真はイメージ)
植芝盛平氏
植芝盛平氏
 和歌山県田辺市で旅行業を営む一般社団法人「田辺市熊野ツーリズムビューロー(TB)」(湊)は、合気道愛好者向け体験ツアーの販売を始めた。合気道の開祖、植芝盛平(1883~1969)は同市出身。「聖地」の道場で本格的な指導を受けたり、熊野に点在する盛平の足跡をたどったりできる。

 合気道の愛好者は国内100万人、海外で160万人といわれる。田辺市をはじめ、京都府綾部市、茨城県笠間市など全国のゆかりの地を巡る訪日外国人客は以前からいる。

 ツアーは体験型旅行などを手がける会社「TABIKYO JAPAN(タビキョー・ジャパン)」(京都市)が企画。観光庁・観光再始動事業に採択されたプランを、紀南の合気道や観光関係者と協働で事業化した。

 特徴はガイドツアーと、特製ガイドブックを手に楽しむ「セルフガイドツアー」を組み合わせた構成。盛平の直弟子の道場で合気道の本質を学べるほか、盛平ゆかりのスポットをまとめたガイドブックを活用して、自分好みの熊野の旅をアレンジできる。

 5泊6日のプログラムで、田辺市街地を拠点にした3日間は、合気道田辺道場で、直接指導を受けて技術向上を目指す。また、市内にある盛平の生家や墓、「植芝盛平記念館」などのルーツをガイドと共にたどる。

 熊野三山エリアでの2日間は「セルフガイド」。ガイドブックを手に、盛平と合気道に関連したスポットを巡る。ツアー中の宿、食事、移動などの旅行サービスはビューローを通じて手配できる。

 タビキョー・ジャパンの羽田明史さんは「合気道を入り口に、熊野に長期滞在するプログラム。地域への経済効果も期待できる。将来的には全国のゆかりの地を結ぶツアーに発展させたい」と話している。

 ビューローでは2023年から初心者向けの合気道体験と熊野古道歩きを組み合わせたツアーを販売している。アメリカやスペインなどからの訪日客はもちろん、日本人客の利用もあるという。