和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

高校生と専門店がタッグ 和歌山・熊野高産ハクサイでギョーザ、大阪の百貨店で販売

岡林大介さん(左)に自分たちの育てたハクサイを届ける熊野高校の生徒=和歌山県上富田町市ノ瀬で
岡林大介さん(左)に自分たちの育てたハクサイを届ける熊野高校の生徒=和歌山県上富田町市ノ瀬で
 和歌山県上富田町市ノ瀬のテイクアウト専門ギョーザ店「玲玲」が、同町朝来の熊野高校産のハクサイを使用したギョーザを23日まで、大阪市のあべのハルカス近鉄本店で販売している。同店のギョーザは、たっぷり詰めた地場産野菜が特徴。中でもハクサイはメインの食材となる。地元高校生との強力タッグで販路拡大を図る。

 「玲玲」店主の岡林大介さん(42)は、横浜市でギョーザが目玉の居酒屋を経営していたが、コロナ禍を機に妻の実家がある上富田町に移住。2020年にテイクアウト専門店を開業した。口コミで人気が広まり、遠方からの来店もある。

 熊野高産野菜との出合いは、昨年12月に地元であったイベント。出店ブースが隣だったことで、つながりができた。ハクサイを使用したところ「本当においしい。取れたてが届くので、鮮度が他とまるで違う」とすぐに提携を決めた。

 熊野高校ではハクサイだけでなく、梅やミカン、柿、イチジク、米など県内で生産している農産物の大半を栽培している。しかし、販売機会は同校での熊高市や田辺市での朝市、スーパーマーケットへの出品などに限られている。「こうした活用は本当にうれしい」と話す。

 授業だけでなく、農業クラブでも野菜を栽培している1年生の山本汐音さんと小杉瑚都音さんは「手間暇かけて育てたハクサイが、おいしいギョーザになって百貨店で販売されるのは楽しみ。味には自信がある。多くの人に熊高の野菜を知ってほしい」と期待する。

 岡林さんは「多様なギョーザがある中でも、野菜がメインで『ギョーザはサラダ』を掲げるのはうちだけ。冷凍ギョーザの発送もしており、新たな客層を開拓したい」と話している。

 販売会場は、ウイング館地下2階イベントホール。午前10時~午後8時半。