和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月27日(金)

小中学生が世界遺産「案内」 和歌山県田辺市で全国サミット

語り部活動を紹介する本宮小学校の児童(和歌山県田辺市新屋敷町で)
語り部活動を紹介する本宮小学校の児童(和歌山県田辺市新屋敷町で)
オープニングエキシビションで三味線を披露する中辺路小学校の児童
オープニングエキシビションで三味線を披露する中辺路小学校の児童
 小中学生が世界遺産などの地域の「宝」についての学びを伝える「第14回世界遺産学習全国サミットin田辺」が8~10日に和歌山県田辺市であった。県内では初開催。「紀伊山地の霊場と参詣道」が来年、世界遺産登録20周年を迎えるのを前に、参加者それぞれが地域について考えた。


 実行委員会主催、紀伊民報など後援。2010年度に奈良市で初めて開催されて以降、屋久島(鹿児島県)や平泉(岩手県)など世界遺産のある地域で毎年開かれている。9日に紀南文化会館(田辺市新屋敷町)であった本大会には、多くの来場者が訪れた。

 本大会では、田辺市語り部ジュニア活動の実践発表があり、本宮町の三里小は発心門王子―熊野本宮大社、本宮小は湯の峰温泉―本宮大社、本宮中は英語で語り部を披露した。

 三里、本宮小の児童は手を挙げて実際に熊野古道を案内するようなしぐさを見せながら、水呑王子の名前の由来を紹介したり、鼻欠地蔵の言い伝えの寸劇を披露したりした。中学生は平安衣装を身にまとって登場し、古道歩きのルールや参拝方法についても紹介した。

 ジュニア語り部の話を聞いた田辺市南新万の50代の女性は「熊野古道を歩いたことはあるが、名称や言葉の意味は知らないことが多かった。語り部で知ることができてよかった。子どもたちが地元のことに興味を持って勉強していて素晴らしいと思った」と感心した様子だった。

 8、10日には、教育関係者を対象に小中学校での世界遺産学習の公開授業や、語り部ジュニアによる熊野古道ツアーが開かれた。


■オープニングで演奏

 本大会のオープニングエキシビションでは、田辺市の中辺路小が三味線、秋津川中が炭琴、東陽中合唱部が熊野古道の歌の合唱を披露し、来場者を楽しませた。

 炭琴を演奏した秋津川中3年の栗山夢力君は「小学生の頃から触っている楽器。湿度や温度で音が変わる繊細さがあるがうまく演奏できたと思う」、同じく3年の山本蒼音君は「今回が中学生活で最後の演奏。緊張せずにミスも少なく演奏できてよかった」と話した。