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2024年11月22日(金)

特別展「熊楠と関東大震災」

南方熊楠の手紙など62点を展示している(和歌山県白浜町で)
南方熊楠の手紙など62点を展示している(和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町の南方熊楠記念館は、特別展「南方熊楠と関東大震災―100年前の地震と影響」を開いている。震災後の混乱の中、熊楠が関東の研究協力者たちに送った書簡やロンドンから熊楠に届いた地震見舞いの手紙など62点を展示している。来年1月28日まで。

 今年は関東大震災発生から100年の節目の年。当時の熊楠の手紙や写真を通して、防災について考えてもらうことなどを目的に企画した。

 展示構成は、熊楠が見た明治期の東京▽1922(大正11)年の熊楠上京▽関東大震災発生▽和歌山出身者と関東大震災▽震災を体験した牧野富太郎と孫文からの支援など。

 記念館によると、熊楠は震災時、田辺にいたため、被災はしなかったが、東京で予定していた粘菌の展示会が中止になるなどの影響を受けた。

 関東で暮らす研究協力者たちは甚大な影響を受けており、熊楠が支援金を送ろうとするなど親身になっていたことが、手紙からうかがえる。記念館は「熊楠にとって直接的な被害はなかったが、熊楠を取り巻く環境に変化が起きたことを知ってもらいたい」と話している。
シンポジウムやトーク


 記念館は12月17日午後1時半~3時半、同館多目的室で特別展シンポジウム「南方熊楠と関東大震災」を開く。龍谷大学教授で南方熊楠顕彰館(田辺市)館長の松居竜五さんが「南方熊楠の海外体験と関東大震災」、東京都江戸東京博物館学芸員の沓沢博行さんが「熊楠と東京、そして震災」をテーマに話す。定員30人。参加申し込みは記念館で受け付けている。

 また、26日、12月10日、来年1月14日の午後2時から、記念館の三村宜敬学芸員によるギャラリートークがある(約20分)。参加申し込みは不要。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。木曜休館。12月29日~1月1日は休館。

 問い合わせは、記念館(0739・42・2872)へ。