和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

半世紀の歴史に幕 3日に最後の「富里まつり」、和歌山県田辺市の大塔地域

多くの人でにぎわう「ふる里富里まつり」の会場(2017年撮影=実行委員会提供)
多くの人でにぎわう「ふる里富里まつり」の会場(2017年撮影=実行委員会提供)
 和歌山県田辺市下川下(大塔地域)にある、とみさと交流館と富里温泉乙女の湯前グラウンドで11月3日、地域の恒例イベント「ふる里富里まつり」が開かれる。例年、そばにある春日神社で奉納される県指定無形民俗文化財「上野の獅子舞」に合わせて開いてきたが、今年はコロナ禍の影響で4年ぶりに開催。ただ、運営に携わる地域住民の高齢化を理由に、第49回となる今回で幕を下ろすという。

 主催する実行委員会(陸平輝昭実行委員長)によると、富里まつりは上野の獅子舞の奉納に合わせて地域を盛り上げたいとして開催。当初は住民運動会として始まり、近年は農産物や軽食などの販売、住民の作品展示、ゲーム大会などがあり、地域の恒例行事として親しまれてきたが、コロナ禍の影響で2020年から3年続けて中止となった。運営に携わる地域住民の高齢化に伴って開催が難しいという声がコロナ禍以前から上がっており、今年は新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられる中で「最後にもう一回だけ」として開催することになったという。

 当日は午前10時から、とみさと交流館で地域住民の作品を展示するほか、有志によるうどんやフライドポテトなどの軽食を販売。午前11時からそばの春日神社で上野の獅子舞の奉納があり、午後1時からグラウンドでじゃんけんや○×クイズなどがあるゲーム大会を開き、トリとして上野の獅子舞を披露。最後に家電や日用品などが当たる福引きをし、春日神社で餅まきを予定している。

 実行委事務局の湯川直紀さん(60)は「長年続いてきた催しなので大変残念だが、存続は難しいと判断した。皆さんに少しでも楽しんでいただけるように最後のまつりを頑張りたい。これからも上野の獅子舞は続いていくので、それをサポートするような形で何か取り組んでいければと考えている」と話している。

 問い合わせは湯川さん(090・2106・7785)へ。