和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

戦時中の飛行服や千人針も 校内に資料室「歴史知ろう」、和歌山・串本古座高

学校の変遷を示す多くの資料が展示されている(和歌山県串本町串本で)
学校の変遷を示す多くの資料が展示されている(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町串本の串本古座高校は、校内の特別教室棟に資料室を設け、太平洋戦争前から戦後にかけての資料を展示している。資料室は30年以上前からあったが、「町民でも知らない人が多いのではないか」と管理担当者。多くの人に来てもらえるよう、資料を整理したり配置を変えたりして見やすい資料室づくりを目指している。


 同校は、1918年に前身である串本実業学校と古座実業学校が開校。その後、県立移管を経て48年に串本高校、古座高校となり、2008年に両校が統合し串本古座高校となった。

 特別教室棟の1階には、旧串本高校の資料が展示されている。手形や小切手に印字するための「チェックライター」、製図セットなど商業科があった時代の名残となるものや戦前の剣道防具、学校の変遷を捉えた写真などが展示されている。

 また、1942~45年、同校(当時は串本商業高)は旧海軍航空隊に校舎や校地の一部を接収されていた。このため、資料室には戦時中に使われていた飛行服や軍服、出征する人に贈られた千人針のほか、橋杭岩近くの海上に浮かんだ水上偵察機の写真も展示されている。

 さらに、特別教室棟の2階には串本町中湊の旧古座高校に関係した資料が並べられている。「百年の歴史 はまゆう館」と名付けられた資料室には校舎の模型やスポーツの大会で獲得した盾、当時の学生食堂で使っていた食器などが展示されている。

 串本古座高OBで施設管理業務員として勤務している尾﨑公さん(72)が中心となって資料室の整理を進めている。見学希望者は同校に問い合わせてほしいという。

 尾﨑さんは「このまま置いているだけではもったいないので、町民の皆さんに見に来てもらいたい。また、昔の資料に関して知っている人が少なくなってきている。地域の人で何か知っていることがあれば教えてほしい」と話している。

 問い合わせは同校(0735・62・0004)へ。