和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月28日(土)

潮岬に上陸 台風7号、和歌山県南部に爪痕

流木がたまった袋港(16日、和歌山県串本町串本で)
流木がたまった袋港(16日、和歌山県串本町串本で)
停電で信号機が消えたため、交差点で通行車両などを誘導する警察官(15日、和歌山県串本町串本で)
停電で信号機が消えたため、交差点で通行車両などを誘導する警察官(15日、和歌山県串本町串本で)
 15日午前5時前、和歌山県串本町潮岬付近に上陸した台風7号に伴い、同町や古座川町では道路の通行止めや停電が相次ぎ、一部の建物にも被害があった。住民からは「雨、風ともに強い台風は久しぶり」という声が聞かれた。

 串本町は、台風直撃が見込まれるため14日午後4時半ごろ、町内全域8083世帯1万4452人に避難指示を出した。最大で57人が避難したという。

 国道42号は14日午後5時半、同町西向―姫の区間が越波のため通行止め。さらに15日午前3時過ぎ、同町有田―田並の区間が連続雨量が規制基準に達したため通行止めになった。いずれも15日午後5時半までに解除された。

 また、くしもと大橋も通行止めになっていたほか、県道潮岬周遊線は道路沿いの草木が倒れて道幅が狭くなっていた。

 同町串本では台風の影響で、建物の壁が壊れたり、建物が壊れてエアコンの室外機が2階からぶら下がったりした所もあった。風で飛んだものを片付けたり、玄関などを水で流したりする住民の姿も見られた。

 同町串本の袋港では、川から流れてきた木や木の葉などが船の周りにたまっていた。地元の男性漁師(82)は「小さなごみを吸い込んだり、スクリューに当たったりするので船が動かせず仕事にならない」と困った様子。ダイビング業者に大方のごみを取り除いてもらい、後は自然に流れ出るのを待つしかないという。

 町内では串本、田並、樫野、田子、和深など広い範囲で停電が起きた。16日正午現在も和深などで停電が続いている。串本では15日午前、一部の信号機が点灯せず、警察官が交差点に立って車を誘導した。JR串本駅も停電し、エアコンや照明、パソコン、コピー機などが使えない状態に。駅員が復旧作業を見守っていた。

 古座川町は14日午後7時半に町内全域1365世帯2390人に避難指示を出した。40人が避難したという。同町でも広く停電が起き、16日正午現在も続いている地域がある。