強い台風７号はお盆休みを直撃し、１５日午前に和歌山県に最接近する。１４日夜には暴風域に入る見込みで、和歌山地方気象台は１４日昼過ぎにも暴風警報を発表予定。「災害の危険性の高い地域は、早めに避難を済ませてほしい」と呼びかけている。ＪＲ西日本や日本航空は１４日午後と１５日に紀南を発着する便の運休を決めた。


　気象台によると、台風は１５日午前６時に潮岬付近に上陸する可能性がある。その後は北北西にゆっくり進む。１５日は県全域で暴風、大雨、洪水、高波、高潮の恐れがある。１４日午後から１５日午後には線状降水帯が発生する可能性も指摘している。台風の動きが遅いため、警報級の現象が長く続くことも考えられる。

　１４日に予想される１時間降水量は県南部の多い所で５０ミリ、１５日の２４時間雨量は最大３００ミリ。潮岬の８月の平年降水量は２６０・３ミリで、１日で１カ月分の降水量を上回る可能性がある。

　１５日に予想される最大風速は南部で３０メートル、最大瞬間風速は４５メートル。海上ではそれぞれ３５メートル、５０メートルとしている。

■Ｕターンに影響

　盆休みを紀南で過ごした帰省客や観光客のＵターンにも影響が出ている。

　ＪＲ西日本は１４日午後に特急くろしおの運転を白浜―新宮間で取りやめる。１５日は始発から終日全区間でくろしおの運転を取りやめる。日本航空は南紀白浜空港を１４日午後に発着する２往復４便、１５日の全３往復６便の欠航を決めた。

　１４日午前にＪＲ紀伊田辺駅で大阪方面行きの特急を待っていた田辺市出身で東京都のＩＴ企業に勤務する女性（２６）は「１２日から帰省しており、１５日に東京に戻る予定だったが、１日予定を早めた。１６日から仕事なので、仕方ない」と話した。

　本来ならにぎわいがピークを迎える観光地はひっそりしている。遊泳禁止となった白浜町の白良浜海水浴場は人もまばらだった。千畳敷を観光していた兵庫県の大学生男性（２２）は「昨日来たばかりだが、台風が来ているのでそろそろ帰ろうと思っている」と話した。

■流れ施餓鬼は１９日に

　１５日に予定していた田辺市下川上の流れ施餓鬼は、台風接近のため１９日に延期となった。