和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

防災安全ガラスを紹介 メーカー団体が中学校で授業

4種類のガラスをハンマーでたたいて強度を体感する生徒(和歌山県白浜町日置で)
4種類のガラスをハンマーでたたいて強度を体感する生徒(和歌山県白浜町日置で)
 大手ガラスメーカーでつくる「機能ガラス普及推進協議会」は10日、和歌山県白浜町の日置中学校で出張授業をし、防災安全ガラスの強度などを地域の児童や生徒に説明した。

 同校体育館は、災害時の避難場所になっていることから、協議会が割れても破片が飛散しにくい防災安全ガラス(262枚)を町に寄付。工事費を含めた約580万円を負担し、夏休み中に改修した。

 出張授業には、日置中の生徒46人と日置小の5、6年生24人が参加した。「ガラスの安全安心エコ講座」と題し、同協議会事務局長の中坂明弘さんらがガラスの歴史、種類、製造方法などを説明。普通のガラス、防火ガラス、強化ガラス、さらに割れても穴が開かない防災安全ガラスなどを挙げ、映像でそれぞれの強度を紹介した。

 この後、県ガラス・サッシ協同組合のメンバーの指導で、生徒らがゴーグルにヘルメット、手袋を着用し、4種類のガラスをハンマーでたたき、それぞれの強度を体感した。中学1年の横畑光洋君(12)は「普通のガラスなどはすぐに割れたが、防災安全ガラスは硬かった」と種類による強度の違いに驚いていた。

 最後に児童・生徒を代表して日置中3年の岩本実央さん(15)が「体育館は私たちだけでなく、地域の人々のスポーツの場、避難所として子どもからお年寄りまで使う施設。防災安全ガラスにより、体育館の安全性が高まったことは心強い。大切に使わせていただきます」と謝辞を述べた。

 この日は、同協議会が制定した「窓ガラスの日」。出張授業に先立ち、同校近くの南紀白浜リヴァージュ・スパひきがわで防災安全ガラスの寄贈式が開かれた。

 同協議会の構成7団体の一つ「全国板硝子商工協同組合連合会」の理事で県ガラス・サッシ協同組合理事長の小村哲也さん(56)は「海の近くにある日置中学校体育館は災害時の避難所でもあることから、防災安全ガラスを寄贈した。皆さんに安心を届けることができて良かった」と話した。