和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

7月上旬から歩行者通行可能 白浜温泉繁華街でのり面崩落の道路、和歌山

のり面崩落で通行止めになっている柳橋通り(和歌山県白浜町で)
のり面崩落で通行止めになっている柳橋通り(和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町は6日、白浜温泉の繁華街にあり、のり面崩落のため5月20日から通行止めにしている町道柳橋小谷線(柳橋通り)について、仮設トンネルを設置して7月上旬から歩行者のみ通行できるようにする計画を明らかにした。自動車も通れる完全復旧は、来年3月を目指すという。町は「早期復旧に向けて全力を注いでいく」と話している。


 開会中の町議会6月定例会全員協議会で、これまでの経過と今後の見通しについて説明した。

 町によると、崩落は5月20日午前9時15分ごろに発生。のり面が高さ13・5メートル、延長19・1メートルにわたって崩れた。崩落による人的被害はなかった。

 道路をふさいでいたコンクリートなどの落下物は重機で撤去し、崩れたのり面にモルタルを吹き付けるなどの応急処置は終えたが、まだ崩れる可能性があることから、全面通行止めにしている。回り道はある。

 町は今後、崩落した原因を含めて詳しく調査し、復旧工事の方法を検討した上で着工するとしている。

 崩落現場は柳橋通り、銀座通り、銀砂通りが交わる三差路近く。付近には足湯施設もある。地域住民の生活道、通学路であり、観光客も使う道路であるとし、地元の町内会は5月30日、町に対し早期復旧を要望していた。

 要望を受け、町は、年間で町が最もにぎわう夏の行楽シーズン前に、歩行者だけでも通行できるようにしようと検討。仮にのり面上部から落下物があっても人命を守れるようにとコンクリート製のトンネル(縦横2メートル、延長24メートル)を現場に設置することを決めた。トンネル内には照明を設置して、夜間も通れるようにする。

 現在通行止めにしている柳橋通りの上にある柳橋は、調査で問題がなければ通行止めを解除する予定。崩れたのり面の反対側ののり面も今後調査し、危険と判断すれば補強工事に向けて取り組むとしている。

 のり面が崩れた原因について町は「5月13、14日に激しい雨があったほか、崩落した前日にも雨が降ったことが、原因になった可能性がある」と話している。