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2024年11月24日(日)

【動画】浄土目指した僧を供養 世界遺産の補陀洛山寺、那智勝浦町

補陀洛山寺の裏山にある渡海上人の墓の前で読経する僧侶ら(17日、和歌山県那智勝浦町浜ノ宮で)
補陀洛山寺の裏山にある渡海上人の墓の前で読経する僧侶ら(17日、和歌山県那智勝浦町浜ノ宮で)
 南海のかなたにあるとされる浄土を目指した宗教儀礼「補陀洛渡海」で知られる和歌山県那智勝浦町浜ノ宮の世界遺産・補陀洛山寺(高木智英住職)で17日、「渡海上人」と呼ばれる僧たちの供養会が営まれた。

 補陀洛渡海は、生きたまま船に乗り、那智の浜から南海にあるとされる観音の浄土(補陀洛山)を目指した。同寺によると平安時代から江戸時代にかけ、20回ほど行われたという。

 この日は「春祭り・補陀洛渡海上人供養会」が営まれ、高木住職(41)が読経や護摩祈祷(きとう)をした後、同寺の裏山にある渡海上人の墓でも読経した。

 高木住職は「補陀洛渡海という宗教儀礼のおかげで世界遺産でもある今の補陀洛山寺があると思うので、歴代の上人、住職の思いを後世に引き継いでいくのが使命。皆さんにも伝えて世界にも発信したい」と話した。