和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

【動画】クマノザクラ各地で見頃 古座川町、児童もガイドで活躍

満開になったタイプ標本木の前でガイドをする高池小学校の6年生(14日、和歌山県古座川町池野山で)
満開になったタイプ標本木の前でガイドをする高池小学校の6年生(14日、和歌山県古座川町池野山で)
美しい姿を水面に映している「潤野の四姉妹桜」(14日、和歌山県古座川町潤野で)
美しい姿を水面に映している「潤野の四姉妹桜」(14日、和歌山県古座川町潤野で)
七分咲きほどになった清流・小川沿いのクマノザクラ(14日、和歌山県古座川町中崎で)
七分咲きほどになった清流・小川沿いのクマノザクラ(14日、和歌山県古座川町中崎で)
 和歌山県古座川町内の各地で「町の花」であるクマノザクラが見頃を迎えている。同町峯にある名木に続き、同町池野山にあるタイプ標本木も満開。14、15の両日には地元・高池小学校の6年生10人がガイドを務め、訪れた花見客らに特徴を紹介したり、古座川の魅力をアピールしたりした。


 研究論文に使う標本を採取した木であるタイプ標本木は、今月7日に開花。その後、暖かい日が続いたことで開花が進み、児童によるガイドに合わせるかのように満開となった。

 同校では開花の時季に子どもたちがガイドとしてクマノザクラの特徴などを紹介する取り組みを、2019年度からスタート。コロナ禍のために初年度は実施できず、実際のガイドは本年度で3年目。予行練習をするなどして準備を重ねていた。

 児童は2、3人で一組になって訪れた人に声をかけ、タイプ標本木の前に同校の先輩が設置した手作り看板を今年補修したことや、クマノザクラが和歌山、奈良、三重県の南部に自生していること、ヤマザクラと比べて咲く時季が早くピンク色が濃いといった特徴について説明し、最後に町の名所や特産といった魅力もアピール。吉川莉那さん(12)は「少し緊張したけど、聞いてくれてうれしかった。クマノザクラは地域の宝なので大切にしていきたい」と笑顔を見せた。

 大畑眞校長は「天気に恵まれ桜も満開でとても良かったし、練習の成果が発揮できたと思う。この取り組みを通じ、子どもたちには達成感を得たり、古座川の良さを再確認したりしてほしい」と話していた。


■「四姉妹桜」も見頃 潤野の山中

 「潤野の四姉妹桜」とも呼ばれて親しまれている同町潤野の山中にあるクマノザクラも見頃だ。14日の午前9時ごろに訪れた際には満開に近い状況になっており、美しい姿をため池の水面に映していた。

 この桜は集落から離れた場所にあり、町観光協会では、県道沿いにある直売所「みんなの店」(古座川町明神)から、徒歩で片道1時間弱と紹介。この日は、ハイキングを楽しみながら訪れる花見客の姿も見られた。

 同町中崎の小川沿いにあり、清流との共演が楽しめるクマノザクラは同日午後3時ごろで七分咲きほど。