和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月31日(火)

梅エキスに美容効果 みなべ町と大学が特許

たわわに実った梅。エキスが皮膚の老化予防に効果があるとして、特許が認められた
たわわに実った梅。エキスが皮膚の老化予防に効果があるとして、特許が認められた
 和歌山県みなべ町は、梅エキスに皮膚老化予防効果があるという研究結果に対する特許が特許庁に認められた、と発表した。これまで、ピロリ菌の作用抑制や血糖値の上昇を抑えるという研究で特許を取得しており、今回で三つ目になる。町は、健康や美容面で女性や若者、海外の人にアピールし、消費拡大を目指したいという。


 町から委託を受けた和歌山工業高等専門学校(御坊市名田町)による研究で、梅エキスに皮膚老化予防効果があることが分かり、町と県立医大、大阪河﨑リハビリテーション大学の連名で2021年3月に「コラゲナーゼ阻害剤」の名称で、特許申請していた。取得は今月8日に「特許公報」で発表された。

 しわやたるみなど皮膚の老化については、皮膚の弾力や張りを保つ上で重要な成分であるコラーゲンの減少が原因の一つといわれる。コラーゲンを分解促進するのがコラゲナーゼであるため、そのコラゲナーゼの活性を阻害することが皮膚老化の予防に有用な手段とされる。

 このため、梅エキスのコラゲナーゼに対する阻害効果を調べたところ、ポリフェノールの一種である「trans―クマル酸」がコラゲナーゼの阻害物質であると分かった。他にもよく似た物質が含まれ、効果が期待できるという。

 町は、梅の健康機能性効果について調査研究を続けている。これまで、「胃に障害を及ぼす菌の運動能力を阻害する物質が含まれている」「血糖値の上昇や肥満などに関連づけられる酵素の働きを阻害する物質が含まれている」の二つの効用について科学的な裏付けを取り、特許を取得していた。

 町うめ課は「梅の機能性として三つ目のお墨付きをもらった。この研究成果を有効に活用し、健康食品としての梅の効能について、これまで以上に関心を持ってもらえるよう、アピールしたい。低迷する梅の消費を活性化できればと思う」と話している。