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2024年12月22日(日)

「再発防止を徹底」 つり橋落下事故で白浜町

「小房橋」地図
「小房橋」地図
 和歌山県白浜町小房(おぶさ)で3日、修繕工事をしていたつり橋「小房橋」が落下し、男性作業員2人が大けがをした事故を受け、橋の管理者で工事の発注者でもある町が7日、記者会見を開き、状況を説明した。井澗誠町長は「今後、事故原因を究明するとともに再発防止の徹底に努めていく」と話した。

 町によると、落下したのは日置川に架かる鋼製のつり橋。町道と対岸の小房集落をつないでいる。長さ約119メートル、幅約1・5メートル。1960年に完成した。

 傷んだ床板の張り替えなどの長寿命化工事をしていたところ、3日午後2時半ごろ、何らかの原因で橋脚と塔柱が倒壊したという。

 この事故で、作業員2人が約5~6メートル下の河原に転落。既存の床板の撤去をしていた49歳の作業員が肋骨(ろっこつ)を折るなどした。つり橋に設置した仮設足場を通行していた測量業務の65歳作業員も、肩や肘などを骨折する全治3カ月のけがを負った。2人とも命に別条はないという。

 町は今後、事故現場に残っている仮設足場やワイヤなどの撤去方法を検討し、方法が決まり次第、早急に撤去作業に着手する。

 通行止めにして修繕工事をしていたが、回り道がないため、必要に応じて通行できるようにしていたという。現在、集落に人は住んでいないが、茶畑や墓地があり、利用する人がいる。

 町内には今回事故が発生したものを含めて3本のつり橋があり、残りの2本も長寿命化の工事を予定している。