和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

上がれ「ロケット熱」 那智勝浦、実寸大の垂れ幕も

和歌山県那智勝浦町役場に掲げられているロケットの垂れ幕
和歌山県那智勝浦町役場に掲げられているロケットの垂れ幕
ロケットも描かれている那智浦神郵便局の風景印
ロケットも描かれている那智浦神郵便局の風景印
 2月末ごろにも和歌山県串本町田原の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から初号機が打ち上げられるのを前に、隣接する那智勝浦町で、その機運を高めようという取り組みが活発になってきた。いずれも「地域の活性化につなげたい」という。

 那智勝浦町は、町役場庁舎(築地7丁目)に、発射場から打ち上げられるロケット「カイロス」をあしらった垂れ幕を設置した。実寸大で長さ18メートル。

 町を挙げてロケットの打ち上げを応援しようという企画。初号機の打ち上げが2月末ごろとされていることを、広く知ってもらおうという狙いもある。

 町によると、ロケット発射場近くの浦神小学校(閉校)が見学場として使われることになっている。グラウンドには大型モニターも設ける予定。近くの漁港も見学場にする計画という。

■ロケット消印 好評

 浦神地区にある那智浦神郵便局では、ロケットなどを描いた風景印(直径3・5センチ)を作成し、人気を集めている。

 郵便局は浦神小の近くにある。西純世局長(56)は「打ち上げの際には、きっと全国から多くの人が来るはず。郵便局として何かできないかと考えた」という。

 風景印のデザインにはロケットのほか、熊野古道の石畳や平安衣装を着た女性2人、それに串本町の名勝・橋杭岩を採用した。両町の魅力を知ってもらおうと考えた。

 運用開始は昨年3月31日。郵便局として特段の広報活動はしていなかったが、同日の日付が入った押印を求める希望が全国各地から約300件あった。以降も依頼はあり、これまでで400件ほどになるという。

 自身も打ち上げを心待ちにしている西局長は「実際にロケットが上がると、もっと依頼が増えるかもしれない。そうなるとうれしい」と期待している。

 風景印は郵便局が消印として使う。63円以上の郵便物を出す際に希望すれば押印してもらえる。日付はさかのぼれない。