和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

中日友好特使に任命 白浜の父さんパンダ「永明」

薛剣総領事(右)から任命状を受け取る今津孝二園長=和歌山県白浜町で
薛剣総領事(右)から任命状を受け取る今津孝二園長=和歌山県白浜町で
 日中国交正常化50周年を記念し、中国駐大阪総領事館(大阪市)は、和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で飼育されている雄のジャイアントパンダ「永明(えいめい)」(30歳)を「中日友好特使」に任命した。

 日中関係構築に対する功績をたたえるとともに、今後のさらなる友好関係の発展を図るために任命した。同特使は永明が初めて。

 永明は、中国・北京動物園で1992年9月14日に誕生。中国との共同繁殖研究のため94年9月6日に来園した。16頭の父親で、飼育下で自然交配し、繁殖した最高齢記録を持つ。来年2月、繁殖研究などのために中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地に送られる。

 施設で17日に任命式があり、竹を食べる永明の前で、薛剣(せつけん)総領事が、今津孝二園長に任命状を手渡した。

 式で、薛総領事は「永明には中国へ帰っても中日友好のシンボルとしての役割を果たしてもらいたい」とあいさつ。

 県企画部企画政策局の鳥羽真司局長が「永明が県の観光産業にもたらした効果は計り知れない。永明が結んだ日中友好関係を発展させていく所存」と岸本周平知事の祝辞を代読した。

 井澗誠町長が「名残惜しい気持ちもあるが、永明が生まれ故郷で元気で過ごしてくれることを願う」とあいさつした。

 今津園長は「永明には、中国へ行っても日中友好の懸け橋となり、元気に過ごしてくれることを願っている。無事輸送できるようスタッフ一同、力を合わせて旅立たせたい」と話した。