和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

【動画】大迫力でロケット映像 串本に臨場感シアター完成

串本の海の映像が映し出された「8K臨場感シアター」(6日、和歌山県串本町西向で)
串本の海の映像が映し出された「8K臨場感シアター」(6日、和歌山県串本町西向で)
 和歌山県串本町が、同町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からロケットが打ち上げられる様子を撮影した映像を観光客らに大迫力で見てもらいたいと、同町西向にある旧古座分庁舎で整備を進めていた「8K臨場感シアター」(仮称)が完成した。町議らが参加した見学会が6日にあり、串本の海などを撮影した映像を視聴。町議は「現場にいるような臨場感」などと話していた。


 同町では、新庁舎(串本町サンゴ台)建設に伴って空き施設となった旧古座分庁舎を有効利用し、発射場開設に合わせてロケット関連施設に改修することを計画。1階はロケット関連の展示、2階はサテライトオフィスとして活用する他、3階にある旧議場については「打ち上げがない時でも、観光客や修学旅行生らに来てもらってロケットを体感してほしい」として、打ち上げ場所の付近から撮影する予定の映像を上映するシアターに改修する事業を進めてきた。

 11月末に完成したシアターの収容人数は20~30人で、設置された縦約3メートル、横約12メートルのスクリーンは視聴者を包み込むように緩やかにカーブ。4Kプロジェクター3台を使って「8K相当」という高画質の映像を映し出すことができる他、10カ所に設けられたスピーカーによって迫力のある音響も体験できる。事業費は1階エントランスの改修と合わせて9800万円。

 町議らが参加した見学会では、サンプルとして、水中写真家・古見きゅうさんが撮影した串本の海と、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の映像を上映。鈴木幸夫議長は「今日は初めて映像を見たが、本当に現場にいるような臨場感。今後、子どもたちの学習の機会や来町された皆さんに串本を知ってもらうために見てもらうなどして利用されると、より効果が出てくるのではないか。町の観光にとってかなりプラスになる良い材料」と話した。

 田嶋勝正町長も「思った以上に迫力があり、小さな映画館に負けない内容。ロケットの打ち上げの映像をこの画面で見るのを大変楽しみにしている。町民の皆さんにもぜひとも見ていただきたい」と話していた。

 シアターでは、来年2月末ごろを目指しているロケット初号機打ち上げの際に撮影したものや、町内の観光コンテンツの映像などを上映することを計画。一般公開については、1階部分の改修や建物全体の用途変更に伴う工事が終わる2023年度になる見通しだが、その前に、町内の子どもらを対象とした見学会を開くことも検討しているという。