和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

中辺路にアートガーデン 陶芸家が整備

「ニカイアートガーデン&ギャラリークマノ」の庭園
「ニカイアートガーデン&ギャラリークマノ」の庭園
敷地内の駐車場にある陶壁と二貝清一さん
敷地内の駐車場にある陶壁と二貝清一さん
 和歌山県田辺市中辺路町栗栖川に住む陶芸家、二貝清一さん(73)が自宅敷地内に整備していたアートガーデンがほぼ完成。カフェ、工房、ギャラリーなど敷地全体を一体化したアート作品として公開している。食事や陶芸体験なども楽しめ「山の中の別世界」と評判だ。


 二貝さんは中辺路町出身。京都で焼き物を学んで1975年に帰郷。窯を築いて創作に取り組んできた。これまでに南紀白浜空港(白浜町)ロビーや国道371号石船トンネル(中辺路町)の陶壁などを制作している。

 43年前には、メキシコへの一人旅。そこで出合った建築物をきっかけにアートガーデンの構想を温め、20年ほど前から敷地の造成を始めた。8年前には「カフェ・ド・リッカ」をオープン。窯を整備し、陶器や陶壁画の制作を続けてきた。

 敷地の面積は約千坪。そこに二貝さんが焼いたタイルを敷き詰め、壁面のあちこちにも陶壁画を取り付けた。使用したタイルやれんがは1万5千枚以上、使った粘土は100トン余に上る。

 当初描いた構想が100%実現したわけではないが、ひとまずの区切りとして、「NiKAI Art Garden&Gallery KUMANO(ニカイアートガーデンアンドギャラリークマノ)」という名称で公開を始めた。

 この名称「NiKAI」には、自身の名字に、日常と非日常の二つの世界といった意味も込めている。それだけに、客から「別世界に来たみたい」と言われるとうれしいという。

 カフェは妻の吏夏さん(59)がオーナーを務める。食器や陶器製のいすやテーブル、店内の壁面や床のタイル、陶画は全て二貝さんの作品だ。

 二貝さんは「自分の作品で、ガーデンを埋めていくのは楽しい。まだまだ構想は膨らむので、ずっと制作を続けていきたい」と語っている。

 来年5月には、一般に向けてのお披露目会を予定しており、その時季には、敷地内に植えたバラが見頃を迎えるという。

 問い合わせは、カフェ・ド・リッカ(0739・64・0102)へ。営業時間は午前10時半~午後4時半(ラストオーダー午後4時)、ランチは午前11時半~午後2時(ラストオーダー午後1時半)。水、木曜定休。