和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

地元産野菜で実習 南部高、調理コースの生徒

新谷力さん(右)らから提供された野菜を使って調理する生徒=和歌山県みなべ町芝で
新谷力さん(右)らから提供された野菜を使って調理する生徒=和歌山県みなべ町芝で
出来上がった料理を弁当箱に詰める生徒(和歌山県みなべ町芝で)
出来上がった料理を弁当箱に詰める生徒(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町芝、南部高校の食と農園科で「調理コース」を専攻する1年生20人が21日、地元産の食材を使って調理実習をした。同校の卒業生やJA紀州から提供を受けた旬の野菜で、和食を作った。

 調理コースは本年度から始まり、店を構える調理師を講師に招いての調理実習もしている。1年時は日本料理に取り組み、田辺市朝日ケ丘で和食店「和づち」を営む湯川和洋さん(41)が講師を務める。

 食材を提供した同校の卒業生は、印南町崎ノ原で農業をする新谷力さん(32)で、菊芋を用意した。知名度が低いことから、調理を学ぶ生徒に知ってもらい、料理に使ってもらいたいという。菊芋を使った冷凍コロッケも提供した。

 JA紀州は、地場産のウスイエンドウやキヌサヤエンドウ、ミニトマトを提供した。

 生徒は新谷さんから菊芋の説明を聞き、JA職員から豆のむき方などを教わった後、調理した。メニューは「菊芋とウスイエンドウのご飯」や「ウスイエンドウのかき揚げ」「鶏肉とゴボウのみそミニトマト煮」など8種で、湯川さんから手ほどきを受けながら作った。

 安樂ひなた君(16)は「ウスイは知っているが、菊芋は初めて。でこぼこしているので皮がむきにくかった。将来のために地元産の食材も知り、料理の仕方を勉強したい」と話していた。

 完成した料理はコミュニティースクール(学校運営協議会)のメンバーに試食してもらった。

■弁当作って販売 食文化探究コース

 食と農園科「食文化探究コース」の3年生16人は17日、課題研究の成果発表会として、オリジナル弁当4種を作り、教職員に販売した。

 これまでの学習の集大成として取り組んだ。4班に分かれ、班内で意見を出し合ってメニューを決めた。「ふゆ弁当」「スタミナ弁当」「野菜たっぷり和風弁当」「彩り洋食弁当」の4種で、梅干しや梅シロップを使った料理もあった。教職員に成果を見てもらおうと500円で販売。「選んだ決め手」「一番おいしかった料理と感想」「改善が必要なものとその理由」などを聞くアンケートも実施した。

 森本恵さん(18)は「4人で話し合って野菜にこだわった。お薦めはレタスやキュウリ、ゴボウ、シメジ、パプリカなどを使ったレインボーサラダ」と話していた。