和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

青年クラブが梅の新品種開発へ 「産地盛り上げたい」

梅新品種開発プロジェクトリーダーの有本好則さん。アンケートへの協力を呼びかける
梅新品種開発プロジェクトリーダーの有本好則さん。アンケートへの協力を呼びかける
 和歌山県みなべ町の農業青年クラブ「みなべ梅郷クラブ」は、梅の新品種開発を目指す。梅の品種には主力の「南高」などさまざまあるが、今後さらに梅の町として成長するために新品種や改良が必要だとして取り組む。現在、新しい品種の必要性などを聞くアンケートを町内全戸に配布しており、協力を呼びかけている。


 「南高」は、大玉で果肉が多くて柔らかく、人気の品種となっている。一方で、作柄が安定しないという欠点がある。他品種の花粉がなければ実をならすことができず、受粉はミツバチなど昆虫の手助けが必要なことから、同時期に南高梅の花と他品種の花が咲き、昆虫が飛び交うといった条件がそろわなければいけないなど、天候の影響が大きい。

 県は「南高」と、自家受粉し病気にも強い「剣先」との交雑種である「NK14」や「星秀(せいしゅう)」を開発。スモモの特徴を受け継ぎ、果皮や果肉が赤いのが特徴の「露茜」、香りに特徴がある「翠香(すいこう)」なども行政法人などが開発している。いずれも徐々に栽培が広がっているが、梅郷クラブは特定の品種に頼るのではなく、特徴のある新品種や欠点を少なくした改良品種を増やし、さまざまな需要に応えられるようにしたいという。

 梅の新品種開発を考えるプロジェクトのリーダー、有本好則さん(30)=みなべ町東岩代=は「主力の南高は作柄が安定しないだけでなく、売れ行きが年によって良かったり悪かったりする。他にもさまざまな品種があるが、まだまだ特徴のある新品種が必要。例えば生で食べられる梅があってもいいのではと思う。梅の産地として今後も盛り上げていくために、皆さんの意見やアイデアを聞かせてもらいたい」と呼びかける。

 新品種の開発は県の協力を得て取り組む。県日高振興局農業水産振興課は「地元の人がどのような品種を望んでいるのかを聞くことは、今までやってこなかった。現場主導で、みんなで知恵を出し合って南高梅に匹敵する品種を生み出すことは意味がある。期待し応援したい」と話している。

■アンケートに協力を 21日締め切り

 アンケートは、梅の栽培状況や苦労▽南高梅の評価▽新品種に対する考え▽梅のブランドの必要性―などを聞く内容。

 提出期限は21日。問い合わせは有本さん(080・5637・8453)へ。