和歌山県白浜町で２日、自分の目標を他人に考えてもらうというユニークな体験型講座があった。参加者は互いに、仕事や生活に関する自身の現状を説明し、「私があなたなら…」と提案した。終了後には「楽しかった」とか「参考になった」という感想が聞かれた。

　町と生活用品大手「ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス」（東京）が企画した。異なる仕事をしている人たちが顔を合わせ、意見を交わすことで、各自の仕事に対するやる気が高まったり、心身がより健康な状態になったりすることを期待した。

　他人の目標を考えるという体験型講座は、略して「タニモク」と呼ばれる。総合人材サービス大手（同）が生み出したもので、自分だけでは思い付かない考え方やアイデアに気付ける利点があるとされる。

　町青少年センターでの講座には、町職員や、町に拠点を置く企業の社員ら約３０人が参加した。３、４人のグループごとに、１人が現状を語り、別の人がさまざまな角度から質問を投げかけた上で目標を考えるという作業を全員分、繰り返した。

　４月から町職員として働く観光課の石井里沙さん（２０）は、仕事に対するモチベーションをより高めるきっかけにしたいと参加。グループでは、趣味のフラダンスを最近はできていないと話した。同グループの参加者からは、好きなことに取り組むことで地域の人たちと関われるし、情報を得ることが仕事にもつながり、結果的に仕事のやりがいにもつながるのでは、と提案された。「本当にその通りだと思った。趣味から視野を広げることができそう。白浜で活動するフラダンスのサークルがあるとも聞いたので、調べてみたい」と話していた。