和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

一枚岩をスクリーンに映画祭 古座川町で2年越し実現へ

一枚岩での映画祭をアピールする実行委員長の田堀穣也さん(和歌山県古座川町相瀬で)
一枚岩での映画祭をアピールする実行委員長の田堀穣也さん(和歌山県古座川町相瀬で)
 和歌山県古座川町相瀬にある国の天然記念物「古座川の一枚岩」をスクリーンにするイベント「大地を見上げる映画祭vol・1 HYGGE(ヒュッゲ)」が29日に開かれる。「ここでしかできないイベントで町を盛り上げたい」と企画された催しだが、これまでコロナ禍や天候の影響で何度も延期しており、今回で5度目の挑戦。当日は自由に入場でき、地域の事業所が参加するマルシェもある。

 古座川の一枚岩は、南紀熊野ジオパークの見どころであるジオサイトの一つで、高さ約100メートル、幅約500メートル。地表に表れた一枚の岩盤としては日本最大級とされる。

 映画祭は、一枚岩の古座川対岸にある道の駅を運営している団体の代表である田堀穣也さん(35)=古座川町長追=が実行委員長を務める実行委員会の主催。2020年10月から始めたクラウドファンディングも活用して、高性能のプロジェクターやスピーカーなどを購入して準備を進め、当初は21年3月の開催を計画していたが、コロナ禍のため大勢が集まるのは難しいと判断。「Vol・0」と題してオンラインで開いた。

 その後、その年の10月に初の映画祭を開くことを計画したが、再びコロナ禍で断念した。今年3月にも計画したものの、感染拡大を受けてさらに5月に延ばしたが、天候の影響でさらに延期。10月の開催を目指して取り組んでいた。

 前回はコロナ禍で来場者数を制限するために入場券が必要だったが、今回は入場券なしで自由に入場できるようにして開催する。

 開場は午後2時で、町内や近隣市町から約20の事業所が参加して飲食や雑貨などを販売するマルシェが始まり、5時半から古座川町の観光をアピールする動画などを一枚岩に映し出した後で、アニメ映画「リメンバー・ミー」を上映。8時終演だが、マルシェは9時まで開催する予定という。

 田堀実行委員長は「今回ようやく開催できる見通しになり、大変うれしい。古座川町をあまり知らない人はもちろん、知っている人も、もっと好きになってくれるイベントになると思う。ぜひご家族でお越しいただけたら」と呼びかけている。

 会場は暗いことから、足元を照らす明かりや鑑賞の際に河原で座るためのクッションなどを持参すること。路上駐車は禁止で、会場から約1キロ離れた同町洞尾に無料の駐車場を用意している。催しを応援するカンパも受け付ける。

 問い合わせは道の駅内の実行委員会(0735・78・0244)へ。