和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

投票のハードル下がった 知事選前に熊高生が模擬体験

実際の選挙で使用する投票箱や記載台を使って、投票を体験する熊野高校の生徒(和歌山県上富田町朝来で)
実際の選挙で使用する投票箱や記載台を使って、投票を体験する熊野高校の生徒(和歌山県上富田町朝来で)
 和歌山県知事選(11月10日告示、27日投開票)を前に、上富田町朝来の熊野高校で、県選挙管理委員会による「選挙出前講座」があった。生徒は選挙について学んだ後、投票所を模した会場で、実際と同じ流れに沿って投票を体験した。生徒からは「難しいと思っていたけれど、ハードルが下がった」といった声が上がった。


 参加した3年生140人には、有権者として知事選を迎える生徒も多い。初選挙への不安を軽減し、関心を高めてもらおうと学校が企画した。

 県選管によると、今年7月の参院選和歌山選挙区の投票率は18歳が34・57%、19歳が30・99%で、平均の52・42%を大きく下回った。

 模擬投票では架空の市長選を設定。候補者役の教員2人が、増税派と財政改革派に分かれて演説したのを聞いてから投票した。校内には1週間前から候補者ポスターを掲示し、「選挙公報」も配布するなど、実際の選挙に近い形で行った。

 投票結果はどちらも70票で同票。県選管は「まさかの結果。選挙では同票の場合、くじで当選者を選ぶ」と説明した。

 堀敬治君(18)は「投票はもっと手続きが面倒だと思っていたけれど、意外と簡単だった。2人の候補の意見を十分考えて投票した。実際の選挙でもインターネットで候補者の情報を集め、自分に近い方に投票したい」と初選挙への意気込みを語った。

 能城裕生君(17)と山田みのりさん(17)は投票開始前の投票箱に何も入っていないことを確認する「ゼロ票確認」も体験。能城君は「選挙権を得たら投票したい。小さな1票だけれど、されど1票だと思っている」、山田さんも「両親が毎回行っているので、投票は当たり前だと思っていた。今回の体験でハードルも下がった」と話した。