任期満了に伴う和歌山県知事選（１１月１０日告示、２７日投開票）に、政治団体「新党くにもり」の元代表、本間奈々氏（５３）が２６日、無所属で立候補すると表明した。仁坂吉伸知事が進めてきた「カジノを含む統合型リゾート施設（ＩＲ）」誘致について、県は断念を明確にしていないとし、この問題を県民に問いたいと語った。

　知事選には国民民主党を離党した元衆院議員の岸本周平氏（６６）が無所属で立候補を予定。自民党が推薦する見通し。

　本間氏は現職の仁坂知事について「非常に安定した政策をしている」と評価した一方、ＩＲ誘致については「自治体がカジノで経済活性化と言い出していること自体が、モラルの崩壊だ。犯罪の温床であり、マネーロンダリング（資金洗浄）につながる構造的問題がある」と批判し、「１次産業の育成や、和歌山の将来に有望な産業を誘致するべきだ」とした。

　本間氏は元総務省職員で、自治大学校教授や愛知県春日井市副市長などを歴任。選挙は、２０１１年と１５年に札幌市長選、昨年の衆院選和歌山３区と今夏の参院選比例代表に立候補し、いずれも落選している。２０年から「新党くにもり」の代表だったが、９月２３日に退任した。