和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

「きれいな川」実感 小学生が日高川の生物調査

たも網の中に水生生物が入っていないか調べる古久保響斗君(和歌山県田辺市龍神村安井で)
たも網の中に水生生物が入っていないか調べる古久保響斗君(和歌山県田辺市龍神村安井で)
 和歌山県田辺市龍神村東、上山路小学校の3年生がこのほど、近くの日高川で水生生物を採取し、川の水質を調べた。すんでいる生物の種類によって川の水環境を10点満点の点数で評価する「スコア法」で調べた結果8・7点と高得点で、きれいな川であることが分かった。

 スコア法は、指標となる生き物の「科」ごとに、すむ水環境によって付けられた点数(1~10)を使って算出する方法。見つかった生き物の「科」の合計スコアを計算し、「科」の数で割って平均値を水環境の点数としている。

 水環境の評価をする際によく用いられる手法で、この日は熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二会長(76)が指導した。同校の3年生は2人だが、1人欠席したため古久保響斗君(9)だけ参加した。

 調査は、龍神村安井の南部高校龍神分校近くの日高川で実施。古久保君は、たも網を受けながら川岸付近の石を一つ一つめくっていった。網の中に水生生物が入っていると「あった」と歓声。カワゲラの仲間やヘビトンボの幼虫などを次々と見つけていた。捕獲した幼虫などは点数集計後、川に戻した。

 この日採取した水生生物は七つの「科」の生物。瀧野さんは「平均点が7以上だときれいな川といえる。ここはとてもきれいな川だ」と評価。古久保君は「できれば幼虫を自宅に持ち帰り、育ててみたかった」と興味深げに話した。

 同校では後日、日高川支流の丹生ノ川でも調べる。