和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

全長9センチのクワガタ捕獲 海外品種、逃げたペットの可能性

和歌山県田辺市の山で捕獲された9センチを超える海外のクワガタ
和歌山県田辺市の山で捕獲された9センチを超える海外のクワガタ
和歌山県田辺市内の山で捕獲されたオオクワガタ
和歌山県田辺市内の山で捕獲されたオオクワガタ
 日本には生息していない全長9センチを超える海外のクワガタが和歌山県田辺市内の山で捕獲された。昆虫に詳しい県立自然博物館(海南市)の松野茂富学芸員によると、スマトラオオヒラタクワガタとみられる。どこかの家でペットとして飼われていた個体が逃げた可能性が高いという。


 今月上旬の夜、田辺市中万呂の物部翔馬君(15)=南部高校1年=が木の穴の中にいるのを見つけ捕獲した。「見つけた時に海外のクワガタだと分かった。捕まえてみるとあまりに大きかったので鳥肌が立った」と振り返った。

 スマトラオオヒラタクワガタは、インドネシアのスマトラ島に生息。体長は約10センチになり、ペットショップなどで販売されている。今回見つかった個体は、雑種の可能性もあり、種類を断定するのは難しいという。

 松野学芸員は「このクワガタを県立自然博物館で確認したのは初めてだと思う。ペットであったことは間違いない。飼っている人は外に逃げると自然環境を荒らす可能性もあるので注意してほしい」と呼びかけている。

■オオクワガタも

 小学生の時から父親と山でカブトムシやクワガタを捕っている物部君。8月上旬には市内の山で全長7・2センチの雄のオオクワガタも捕獲した。昨年は全長4センチの雌、一昨年は全長6・7センチの雄を捕まえており、3年連続となった。

 オオクワガタは乱獲や森林伐採などで、野生個体は減っている。環境省のレッドリストで絶滅危惧2類、大阪府、奈良県、三重県ではレッドデータブックで絶滅危惧2類に分類されており、県内では確認されていないことになっている。

 松野学芸員は「これもペットが逃げた可能性が高い。昆虫を飼育することは良い趣味だと思うが、外に逃がさないよう工夫してほしい」と話している。