和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

介護保険給付費の返還求め提訴へ 和歌山県みなべ町

和歌山県みなべ町役場
和歌山県みなべ町役場
 和歌山県田辺市下万呂の一般社団法人「療創会」(中圖洋子代表理事)が介護保険給付費などを不正に受給したとして、みなべ町は、同法人などを相手に不当利益の返還を求める訴訟を起こす。請求額は846万1027円と遅延損害金。16日にあった町議会9月定例会で関連議案が可決された。

 同法人が運営していた同市下万呂の「通所介護なかずリハビリテーションセンター」が、2019年3月に県の監査を受け、加算の要件を満たしていないのに加算請求したとして、同年10月に通所介護事業所の指定取り消し処分を受けた。

 町は同法人に返還請求したが応じないことから、同法人と元理事の2人、同法人と関連する株式会社「療創会」(中圖清代表取締役)を相手に訴訟を起こす。

 町健康長寿課によると、町内で同センターを利用した該当者は29人で、返還請求可能な期間である17年7月~19年2月で不正額を算定した。

 16日の定例会で町は、訴訟での弁護士委託料として200万円を計上した本年度介護保険特別会計予算案も提案し、可決された。

 同法人などに対する返還を求める訴訟については、田辺市も今年6月に関連議案を市議会に提案し、可決されている。


■補正予算など可決し閉会 みなべ町9月議会

 みなべ町議会の9月定例会は16日に閉会した。8億827万円を追加した本年度の一般会計補正予算案や、町子育て交流施設の設置及び管理に関する条例案など11議案と、同日に追加された不当利益の返還訴訟と本年度の一般会計補正予算案など3件の計14件を原案通り可決し、昨年度の一般会計と特別会計の決算を認定した。

 町子育て交流施設の条例案は、施設の管理で指定管理者制度を活用することや、1部屋を借り切って利用する場合に有料になることに対し反対する意見があったが、賛成多数で可決された。