和歌山県田辺市中辺路町を流れる日置川で１６日、アユの友釣り体験イベントがあった。県外を含む８人が参加し、経験豊富な地域の〝名人〟たちから指導を受けて釣果を狙った。

　近露、野中両地区の住民有志らでつくる「近野もてなし力向上委員会」が主催。「手ぶらで参加ＯＫ」をうたい文句に毎年開いている。今年は３日が初回の予定だったが、悪天候で中止が続き、１６日になった。

　時折強い雨が降る中、参加者は、足首より少し上の高さまで川に入って釣り糸を垂らした。富山市から来た会社員男性（５４）は「今年で３回目の参加になる。こんなイベントは全国を見渡しても貴重だし、アユもおいしい。地元の方も温かいので、自分の中では参加することが恒例になっている」と話した。

　主催団体の森隆男さん（６３）＝中辺路町野中＝は「日本一のアユのおいしさにはまってもらい、近露や野中という集落も好きになってもらえるといい」と期待していた。

　団体ではイベントの際、アユ釣りを指導できるインストラクター育成にも取り組んでいる。後継者をつくり、息の長い活動にしたいという。