和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

滝つぼのアユ狙いトントン釣り 古座川の名勝「滝の拝」で解禁

滝の拝でトントン釣りをする釣り人(16日、和歌山県古座川町小川で)
滝の拝でトントン釣りをする釣り人(16日、和歌山県古座川町小川で)
釣り上げられたアユ
釣り上げられたアユ
 和歌山県古座川町小川にある県の名勝・天然記念物「滝の拝」で16日、滝つぼなどに集まったアユを狙う「トントン釣り」が始まった。針と重りが付いたさおを上下させて魚を引っかける独特な釣りで、夏の風物詩として親しまれている。


 古座川の支流・小川にある滝の拝は河原の岩盤にさまざまな形の穴(ポットホール)が開いているのが特徴で、落差8メートルほどの滝がある。トントン釣りは、上流を目指して滝つぼ近くに集まったアユを狙い、さおを上下させて針で引っかける漁法。川底に重りが「トン、トン」と当たることから、このように呼ばれているとされる。

 古座川漁協によると、足場が悪く、釣れる場所が限られていることなどから、トントン釣りができるのは組合員だけ。滝の拝にある橋から下流は今月1日にアユ漁が解禁されているが、橋から上流部分についてはアユの遡上(そじょう)を促すため、解禁を16日に遅らせているという。

 解禁初日は、2人の釣り人が早朝から滝つぼ近くでトントン釣りを始めたが、ともに釣果は振るわなかった。

 午前6時半から釣り始めた同町小川の谷口清さん(90)の釣果は、午前9時半ごろまでに17センチほどのアユが2匹。「解禁日には毎年来ているが、今日は天気が悪いこともあって厳しい。トントン釣りは針にかかった時の感触が楽しい。これからに期待したい」と言い、15センチほどのサイズを4匹釣って切り上げた串本町田原の山本員美さん(79)も「今日はさっぱり駄目だったが、これからも頑張りたい」と話していた。