和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

中学生が防災パンフ作成 印南町、沿岸の各戸に配布

生徒の学習内容をまとめたパンフレット
生徒の学習内容をまとめたパンフレット
 地震や津波について学習している和歌山県印南町の印南中学校は、2021年度の学習内容をまとめたパンフレット「印南の津波防災 犠牲者0を目ざして パート4」を作り、町内沿岸の各戸に配布した。


 同校では毎年、3年生が地震や津波について学習。地元に伝わる史跡や古文書を主な教材として使うなど独自の取り組みをし、防災教育の取り組みを紹介する全国区のコンテストで最優秀賞を受賞するなどしている。

 21年度は、防災学習を始めて以来の「犠牲者ゼロを目指す」というメインテーマの他に「災害を知り、災害後を生き抜くすべを調べ自分たちのものとする」を掲げた。

 避難所運営を図上でシミュレーションする避難所運営ゲームを紹介。ペット連れや妊産婦といったさまざまな条件のある避難者に適した配置になるよう、避難所内を工夫した。班別に考え、課題を発表し共有し合った。

 フィールドワークでは過去の教訓から学ぼうと、宝永地震(1707年)について、町内を歩いて津波の浸水高を確認するなどした。班別学習として、防災食や防災グッズ、津波、避難路について、それぞれ学習したり調査したりもした。

 パンフレットでは、これらの内容の他、町民らに実践してもらう防災のこつを紹介。物資が限られた状況で役立つ、新聞紙を折って作ることができるスリッパや、牛乳パックを切って作るスプーンを紹介している。おいしく食べることができる防災食として、ホットケーキミックスを利用したカレーパン、ガトーショコラのレシピも載せている。