和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

初めての1票に願い込め 高3の18歳、ゼロ票確認も経験

先月18歳になり、初めての投票に向かう笠松睦さん(10日、和歌山県上富田町生馬で)
先月18歳になり、初めての投票に向かう笠松睦さん(10日、和歌山県上富田町生馬で)
 参院選投票日の10日、和歌山県の田辺高校3年生の笠松睦さん(18)が、上富田町の生馬公民館で初めて投票し、投票開始前の投票箱に何も入っていないことを確認する「ゼロ票確認」も体験した。笠松さんは「緊張したけれど、願いを込めて1票を投じた」と話した。

 笠松さんは先月18歳になったばかり。「選挙権を得たら、行使しようと決めていた。世界情勢が不安定で、平和の大切さを実感している。選挙公報やインターネットの情報を見ながら、自分の考えに似ている候補、政党を選んだ」という。

 ゼロ票確認は公職選挙法で定められており、各投票所で行われている。近年、SNS(交流サイト)で話題となっており、投票所への一番乗りを目指して奮闘する人は「ゼロ票確認ガチ勢」と呼ばれている。母親から「初めての投票だから、体験してみたら」と勧められ、投票所が開く1時間前、午前6時から並んだ。

 ただ、同級生の間では、選挙への関心は決して高くないという。「投票を面倒くさがる人もいる。若者向けの政策が少なく、身近に感じられないのも要因。スマホなどから電子投票できる仕組みもあればいいのに」と話す。

 笠松さんは「小さな1票かもしれないけれど、政治に参加した実感が得られた。投票結果も気になる。友達にも体験を話したい。今後も投票には欠かさず足を運びたい」と強調。「ゼロ票確認は今回だけかもしれないけど」と笑った。