和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

“うめぇ~”ヤギのチーズ 田辺市上野、産直店でも販売

ダル・ジョバンニさん(右)と水野ゆたかさん夫妻が飼っているヤギたち
ダル・ジョバンニさん(右)と水野ゆたかさん夫妻が飼っているヤギたち
ヤギの乳で作ったチーズ(いずれも田辺市上野で)
ヤギの乳で作ったチーズ(いずれも田辺市上野で)
 田辺市上野でカフェレストラン兼ゲストハウスを営むイタリア人シェフ、ダル・ジョバンニさん(44)は、飼っているヤギのミルクでチーズ作りに力を入れている。これまでは主に宿泊客やレストランの客に振る舞う料理に使っていたが、まとまった量が生産できるようになり、一般への販売を始めた。今月から田辺市の産直店でも扱っている。


 ダルさんは妻の水野ゆたかさん(47)と共に、2017年から約1年かけて上野の耕作放棄地だった約6千平方メートルの梅畑を開墾し、ワイン用のブドウを育ててきた。ヤギはペットとしてや、畑の除草のために飼い始めたが、子ヤギの誕生を機に昨年1月から徐々にミルクを搾ってチーズを作り始めた。作り方は北海道に住む友人であるイタリア人のチーズ職人に教わった。

 昨年5月にはミルクがよく出るザーネン種13匹が加わり、現在、29匹を飼っている。ヤギは日中、屋外で草を食べて過ごすなど、自然の中で伸び伸びと暮らしている。

 今春、雌8匹が計10匹の赤ちゃんを出産した。子ヤギたちが徐々に草も食べられるようになった4月下旬からは毎朝、子ヤギたちの乳離れが進んだ現在は1日1~2回、母ヤギから搾乳している。1日に取れる量は計8~9リットル。

 1リットルのミルクからできるチーズの量は約100グラム。くさみがなく、適度な酸味があるのが特徴だ。

 ヤギの世話と搾乳は夫婦で、チーズ作りはダルさんが担当。フレッシュチーズで1週間ほど、長いものなら半年ほど熟成させる。

 カチョッタチーズやカマンベールチーズ、ペースト状のクリームチーズのほか、備長炭の粉をまぶした物、畑で収穫したサンショウやホップをまぶした物など、季節によってさまざまな味わいのチーズを作っている。100グラム当たりの価格はクリームチーズが500円、カマンベールチーズが800円、熟成チーズが千円からなど。ゲストハウスで直売しているほか、今月上旬から田辺市稲成町の「産直市場よってっていなり本館」にも置いている。インターネットでの販売も始めた。

 ダルさんは「ヤギは家族の一員で、愛情たっぷりに育てている。ヤギのチーズが、地域の外から人が上野を訪れるきっかけになり、地域がもっと元気になればうれしい」と話している。

 問い合わせは、ダルさん(080・8511・6450)へ。ネット通販のアドレスはhttps://www.balsamicojam-nankiwakayama.com/shop