和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

「赤い宝石」ヤマモモを収穫 上富田町の住民グループ

真っ赤に色づいたヤマモモの実を収穫する、「口熊野かみとんだ山桃会」のメンバー(20日、和歌山県上富田町市ノ瀬で)
真っ赤に色づいたヤマモモの実を収穫する、「口熊野かみとんだ山桃会」のメンバー(20日、和歌山県上富田町市ノ瀬で)
 和歌山県上富田町の住民有志でつくる「口熊野かみとんだ山桃会」(樫木美喜恵代表)は、町の木に指定されているヤマモモの実の収穫を始めた。

 直径1・5センチほどの赤色の実をつけるヤマモモは、旬の時期が短いため収穫のタイミングが難しく、日持ちしにくいため「幻の果実」「赤い宝石」とも呼ばれている。

 山桃会は、ヤマモモを活用して町を盛り上げようと2015年に結成した。ヤマモモは山林に自然に生えているだけでなく、庭や畑などにも植えられており、所有者から要望があった場所で実を収穫させてもらったり、町内の耕作放棄地で栽培したりしている。実はシロップなどに加工して販売している。

 今季の収穫は13日から始めた。2週間ほどかけて収穫や買い取りをする予定で、昨年は買い取り分も含めて約1・6トンあった。今年は不作傾向となる「裏作」とみられ、1トンくらいを見込んでいる。


■ジュースや実を販売

 加工した商品は、同町朝来のJR朝来駅舎内にある山桃会運営の「口熊野かみとんだ観光案内所」などで販売している。観光案内所ではシロップを使ったジュースを販売しているほか、今年から冷凍した実の販売も数量限定で始めた。実を購入の際はできるだけ事前に連絡してほしいという。

 樫木代表(51)は「上富田といえばヤマモモというイメージが少しずつ広まっているように感じる。山桃会だけでなく、いろんな人がヤマモモの活用に携わってくれるのが理想。ヤマモモをきっかけにして上富田を知ってもらう機会も増やしていきたい」と話している。

 問い合わせは観光案内所(0739・33・9610)か山桃会(080・9167・7163)へ。