新工場24年に稼働 上富田で「カナセ」
上富田町朝来のボタンやアクリルシート製造会社「カナセ」(金谷清道社長)は17日、2024年春に朝来地区内の大内谷区に新工場を完成させ、本社を移転する見通しを明らかにした。
金谷社長(65)が同日、田辺市内で記者会見を開き、本社移転に伴う新工場の建設計画について説明した。
土地の面積は約3万3千平方メートル。一部3階建てのアクリル工場や平屋の倉庫、2階建ての本社事務所など計8棟(延べ床面積計8700平方メートル)を建設する。11月に着工し、24年5月の本格稼働を目指す。
カナセは、もともと田辺市稲成町に本社を置き、上富田町朝来内にボタン事業を担う荒堀工場、アクリル事業を担う富田川工場があった。21年7月からは荒堀工場を仮本社としていた。新工場の完成に伴い、仮本社と老朽化した富田川工場の機能を新工場に移転。富田川工場は閉鎖・売却する予定という。
新工場のアクリル生産能力は年間約2千トン、最大約3300トンで、富田川工場とほぼ同規模。これまでは厚さが最大50ミリまでだったが、60~100ミリのアクリル板も生産できるようになる。
当初の計画では、同社の創業100年に当たる19年に大内谷地区に新工場を建設し、本社を移転するとしていた。だが、資材価格の高騰により見積額が想定を大きく上回ったため計画を延期。さらに、工業用水の利用を巡って町との主張に食い違いが生じ計画が遅れていた。
その後、町と調停が成立。町が新工場の操業開始後に奨励金5千万円を支払うなどの措置を取り、カナセが約3億円かけて整備する地下水の送水設備の費用を事実上分担する形で決着した。
金谷社長は会見で「ようやくここまでたどり着いたという思い。企業の社会的責任として、雇用の維持や、取引先も含めて職を守ること、納税は非常に大事だと考えている。上富田でこれからも事業を続けていくという意思表示でもある」と語った。
カナセは1919年、上富田町朝来で創業。34年にナットボタン、49年にユリア樹脂ボタン、56年にポリエステル樹脂ボタン、59年にアクリルシートの製造を開始した。アクリルシートの国内シェアは約2割を占める。従業員は約190人。
金谷社長(65)が同日、田辺市内で記者会見を開き、本社移転に伴う新工場の建設計画について説明した。
土地の面積は約3万3千平方メートル。一部3階建てのアクリル工場や平屋の倉庫、2階建ての本社事務所など計8棟(延べ床面積計8700平方メートル)を建設する。11月に着工し、24年5月の本格稼働を目指す。
カナセは、もともと田辺市稲成町に本社を置き、上富田町朝来内にボタン事業を担う荒堀工場、アクリル事業を担う富田川工場があった。21年7月からは荒堀工場を仮本社としていた。新工場の完成に伴い、仮本社と老朽化した富田川工場の機能を新工場に移転。富田川工場は閉鎖・売却する予定という。
新工場のアクリル生産能力は年間約2千トン、最大約3300トンで、富田川工場とほぼ同規模。これまでは厚さが最大50ミリまでだったが、60~100ミリのアクリル板も生産できるようになる。
当初の計画では、同社の創業100年に当たる19年に大内谷地区に新工場を建設し、本社を移転するとしていた。だが、資材価格の高騰により見積額が想定を大きく上回ったため計画を延期。さらに、工業用水の利用を巡って町との主張に食い違いが生じ計画が遅れていた。
その後、町と調停が成立。町が新工場の操業開始後に奨励金5千万円を支払うなどの措置を取り、カナセが約3億円かけて整備する地下水の送水設備の費用を事実上分担する形で決着した。
金谷社長は会見で「ようやくここまでたどり着いたという思い。企業の社会的責任として、雇用の維持や、取引先も含めて職を守ること、納税は非常に大事だと考えている。上富田でこれからも事業を続けていくという意思表示でもある」と語った。
カナセは1919年、上富田町朝来で創業。34年にナットボタン、49年にユリア樹脂ボタン、56年にポリエステル樹脂ボタン、59年にアクリルシートの製造を開始した。アクリルシートの国内シェアは約2割を占める。従業員は約190人。