和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

梅の加工講習会始まる みなべ町、今季はリモートと対面

リモートで梅加工講習会を開く「みなべ梅食育普及促進協議会」のメンバー(2日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
リモートで梅加工講習会を開く「みなべ梅食育普及促進協議会」のメンバー(2日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
 和歌山県みなべ町の「みなべ梅食育普及促進協議会」とJA紀州は2日、梅の販売促進のため収穫シーズン中に開く梅加工講習会を、今季初めて開いた。この日はリモートで開き、6日には3年ぶりに現地に出向いて対面で開く。7月10日まで、リモートと現地合わせて30カ所で計画している。

 コロナ禍前は、農家の女性でつくる「梅愛隊」やJA職員らが毎年、全国の40~50カ所を回って町発祥の人気品種「南高梅」を加工する講習会を開いてきた。ところがコロナ禍により2020年にはまったくできず、代わりにフェイスブックやユーチューブを使って情報発信した。昨年には初めて、ビデオ会議システム「WebEX」を使ってリモートで講習会を開いた。

 今季、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることから、リモートと対面の両方で開くことにした。どちらの方法にするかは受講側の要望に合わせる。30カ所のうち、リモートは10カ所で残り20カ所は対面。両方を合わせてもコロナ禍前に比べると6割ほどにとどまるが、リモートだけだった昨年の3倍以上になっている。

 2日の講習会は、みなべ町気佐藤のアグリセンターと神戸市の神果神戸青果とをオンラインでつなぎ、神戸市などの一般消費者50人に梅ジャムや梅ジュースの作り方を紹介した。

 講師を務めたのは「梅愛隊」の林弘子さん(63)で、JA紀州梅の郷支店の中川隆士副支店長(50)も手助けして実演した。使用したのは追熟させ、24時間以上凍らせた南高梅。凍らせることで早く出来上がるだけでなく、長期に保存できるというメリットがある。大きい実を使う方が作業効率が高いということも説明した。

 梅ジャムは実演だけだったが、梅シロップは参加者が作る体験をした。林さんのやり方を手本に容器に梅と砂糖を交互に入れた。1週間から10日ほど置くと出来上がるという。林さんは「長期に置くと発酵するので、10日ほどたてば実を取り除いて」と助言した。

 このほか、梅干しに加工する梅は6月10日以降に購入したものが適していることも説明し、加工の際にできる梅酢は捨てずに活用してもらえるよう呼びかけた。

 協議会の佐々木教人会長は「梅加工の講習は、梅をより多くの人に買ってもらうことにつながるため、産地だけでなく、市場関係者からの要望も強い。コロナが収束に向かえば、活発に動きたい。子ども向けの食育活動も再開できるようになればと思う」と話している。