専門家招き「宇宙講座」 コース新設に向け串本古座高校
和歌山県串本町串本の串本古座高校は11日、同町田原に日本初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」ができることを受け、2024年度に計画されている「宇宙探究コース」の新設に向け、生徒たちが宇宙について学ぶ「宇宙講座」を始めた。国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の運用・利用支援業務などに携わっている企業の専門家が講演。今年末ごろに予定されているロケット初号機の発射が近づく中、生徒たちは宇宙への関心を高めた。
同校ではコース新設に向けた準備として、本年度の新入生から「総合的な探究の時間」で宇宙に関連した学習を取り入れることにした。今回、その第1回として「有人宇宙システム」(本社・東京都千代田区)から、和歌山市出身で、H2Aロケットの初代打ち上げ執行責任者だった前村孝志常務取締役(70)と、日本実験棟「きぼう」の開発に関わった後、数十人の地上管制官の総指揮者で宇宙飛行士にさまざまな指示をする「フライトディレクタ」を務めた同社安全開発・ミッション保証部の土田哲主席(59)を講師に招いた。
この日は1年生53人が対象で、2人は「宇宙におけるコミュニケーションスキル―フライトディレクタの視点から―」と題して講演。前村常務は「皆さんに少しでも宇宙に興味を持ってもらえたら」と呼びかけ、続いて土田主席が宇宙の基礎知識として一般的には地上100キロからを宇宙としていることやISSが地上400キロ付近を飛行していること、ISSの歴史や構造などを解説した。
ISSに滞在している宇宙飛行士の生活も紹介。午前6時に起き、8時間の作業や2時間のトレーニングをし、午後9時半に就寝。土日曜・祝日は休みで、家族とのテレビ電話やメール、インターネットをして過ごしているという。
また、トイレは大便用と小便用の別のタンクに掃除機のように吸い込む仕組みとなっていることや、風呂やシャワーがないために湿気を含んだタオルで体を拭うなどしていることを説明。「宇宙飛行士はすごいストレスがたまる。5分単位でいろんな仕事を7人でやっているが、とてもできないので、われわれが地上からいろんな指示をしている」と述べた。
そんな中で円滑に作業を進めるため、宇宙飛行士とコミュニケーションを取って人間関係をつくっておくことの大切さを説明したほか、使いやすい新しい宇宙トイレのコンセプト設計に取り組んだことも紹介。「宇宙飛行士を説得するためには、日頃の付き合い方とか信頼関係が重要。思いやりが大事だが、誰かを助けようと思ったらコミュニケーションが必要。携帯電話ばかり触らずに、高校生活3年間でみんなと話す時間をつくっていってほしい」と呼びかけた。
生徒たちは「宇宙食で一番おいしいのは何ですか」「睡眠中の態勢は」などと熱心に質問。岡村夏祁さん(15)は「とても面白かったし、遠いイメージの宇宙が身近になってきたと思った。串本からのロケットの打ち上げも楽しみ」と笑顔を見せた。
同校によると、宇宙講座は本年度、基本的に1年生を対象に3回ほどの開催を予定しているという。
同校ではコース新設に向けた準備として、本年度の新入生から「総合的な探究の時間」で宇宙に関連した学習を取り入れることにした。今回、その第1回として「有人宇宙システム」(本社・東京都千代田区)から、和歌山市出身で、H2Aロケットの初代打ち上げ執行責任者だった前村孝志常務取締役(70)と、日本実験棟「きぼう」の開発に関わった後、数十人の地上管制官の総指揮者で宇宙飛行士にさまざまな指示をする「フライトディレクタ」を務めた同社安全開発・ミッション保証部の土田哲主席(59)を講師に招いた。
この日は1年生53人が対象で、2人は「宇宙におけるコミュニケーションスキル―フライトディレクタの視点から―」と題して講演。前村常務は「皆さんに少しでも宇宙に興味を持ってもらえたら」と呼びかけ、続いて土田主席が宇宙の基礎知識として一般的には地上100キロからを宇宙としていることやISSが地上400キロ付近を飛行していること、ISSの歴史や構造などを解説した。
ISSに滞在している宇宙飛行士の生活も紹介。午前6時に起き、8時間の作業や2時間のトレーニングをし、午後9時半に就寝。土日曜・祝日は休みで、家族とのテレビ電話やメール、インターネットをして過ごしているという。
また、トイレは大便用と小便用の別のタンクに掃除機のように吸い込む仕組みとなっていることや、風呂やシャワーがないために湿気を含んだタオルで体を拭うなどしていることを説明。「宇宙飛行士はすごいストレスがたまる。5分単位でいろんな仕事を7人でやっているが、とてもできないので、われわれが地上からいろんな指示をしている」と述べた。
そんな中で円滑に作業を進めるため、宇宙飛行士とコミュニケーションを取って人間関係をつくっておくことの大切さを説明したほか、使いやすい新しい宇宙トイレのコンセプト設計に取り組んだことも紹介。「宇宙飛行士を説得するためには、日頃の付き合い方とか信頼関係が重要。思いやりが大事だが、誰かを助けようと思ったらコミュニケーションが必要。携帯電話ばかり触らずに、高校生活3年間でみんなと話す時間をつくっていってほしい」と呼びかけた。
生徒たちは「宇宙食で一番おいしいのは何ですか」「睡眠中の態勢は」などと熱心に質問。岡村夏祁さん(15)は「とても面白かったし、遠いイメージの宇宙が身近になってきたと思った。串本からのロケットの打ち上げも楽しみ」と笑顔を見せた。
同校によると、宇宙講座は本年度、基本的に1年生を対象に3回ほどの開催を予定しているという。